伝教大師最澄が唐の国(現代の中国)から請来した大黒天「秘仏日本最古の大黒天(金運の神)」が滋賀県愛知郡愛荘町の金剛輪寺(こんごうりんじ)で特別公開されています。
秘仏とは
特別な日にしか拝むことができない仏像。普段は厨子(ずし)などに納められ非公開となっている。秘仏の中にはお寺の住職ですら見ることができない絶対秘仏もある。
大黒天というとにこやかな顔で米俵の上に立ち、左手に大きな袋、右手に打ち出の小槌を持った姿を思い浮かべる方も多いと思いますが、秘仏日本最古の大黒天は古代インドの戦闘神の面影を残している大変珍しい仏像です。
出典 金剛輪寺
もっと詳しく
大黒天の起源はヒンドゥー教の「創造・破壊・再生の神」であるシヴァ神の化身マハーカーラ。マハーは偉大な(大)、カーラは暗黒(黒)を意味し、マハーカーラで「偉大な暗黒の神=大黒天」となる。中国ではマハーカーラの「軍神・戦闘神・財福神」の3つの性格のうち、財福を強調したものが祀られるようになり、それが日本にも伝わった。日本では大黒天の大黒と大国主命(おおくにぬしのみこと)の大国が「だいこく」という音で通ずることから、出雲大社の御祭神である大国主命と習合し、豊穣の神として信仰されるようになる。
特別公開の期間は2019年11月1日(金)~12月8日(日)までです。金運を大幅にアップしたい方はぜひ参拝してみてください。
*授与品の金額はお受けした当時の金額です。
秘仏日本最古の大黒天(金運の神)のご利益
秘仏日本最古の大黒天(金運の神)のご利益はその名の通り金運招来です。
「私もすぐ宝くじで1万円当たりましたのでご利益があります。当たらないより当たった方が良いでしょ(笑」と、参拝した日にお話しした金剛輪寺のお坊さんもおっしゃってたほど、大黒天の現世ご利益の効果は抜群です。
金剛輪寺で必ず手にしたい授与品
金剛輪寺で必ず手にしたい授与品は2つあります。
①日本最古の大黒天ご開扉特別御朱印
秘仏が特別公開されている2019年11月1日(金)~12月8日(日)の間に金剛輪寺に行くと、黄金色に輝く日本最古の大黒天ご開扉特別御朱印を頂けます。(冥加料500円)
この期間中しか頂くことができない特別な御朱印なので、ぜひ手にすることをおすすめします。
ちなみにこちらは御本尊「聖観世音」の御朱印です。(冥加料300円)
②大黒天袋守
大黒天が持っている袋の形をしたお守りです。小さいお守りなのでお財布に入れることができます。(冥加料300円)
普段からお財布に入れて持ち歩き、大黒様のお力添えを頂きましょう。
金剛輪寺ならではの魅力
秘仏日本最古の大黒天(金運の神)以外の金剛輪寺ならではの魅力をご紹介します。
①国宝 大悲閣本堂
国宝に指定されている金剛輪寺の大悲閣本堂は鎌倉時代の密教寺院の大規模な本堂です。弘安11年(1288年)1月建立の銘が内陣須弥壇(ないじんしゅみだん)にあります。
金剛輪寺の御本尊は「生身(なまみ)の観音」と呼ばれる行基作の秘仏「聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)」です。
行基(ぎょうき)が一刀三礼で彫り進めると木肌から赤い血が一筋流れ落ちたため、その時点で魂が宿ったとして、粗彫りのまま本尊として安置されました。生身の観音として全国の観音信徒から信仰を集めています。
御本尊の聖観世音菩薩は住職一代につき一度のみの公開なので滅多に拝見することはできませんが、重要文化財に指定されている次の仏像は間近で拝むことができます。
- 不動明王立像(鎌倉初期)
- 四天王像四軀(鎌倉初期)
- 阿弥陀如来坐像二軀(鎌倉初期)
- 毘沙門天立像(鎌倉初期)
- 慈恵大師坐像二軀(鎌倉初期)
- 十一面観世音立像(平安中期)
特別公開の期間中は秘仏日本最古の大黒天(金運の神)も本堂で拝見可能です。
②千体地蔵
金剛輪寺の参道にはよだれかけを身につけ、風車を持っているお地蔵様がズラッと並んでいます。
これは千体地蔵と呼ばれるお地蔵様で、約二千体のお地蔵様が参道に建立されているのですが、風が吹くとそれぞれの風車がいっせいに回り、まるで絵に描いたような風景を見ることができます。
なお、金剛輪寺では毎年8月9日にご先祖様や水子の供養をする「観音盆千日会・千躰地蔵盆」が奉修されますが、この日に観音様にお参りすると千日分の功徳があると言われています。
③血染めのもみじ
金剛輪寺の紅葉は観音様の慈悲の御心が満ち溢れた「血染めのもみじ」として有名です。
行基が彫った聖観世音菩薩から流れ落ちた赤い血が紅葉を染め、深紅になることから「血染めのもみじ」と呼ばれています。
今回は11月1日に行ったのでまだ緑の部分が多いですが、毎年11月中旬くらいには次のような色鮮やかなもみじを見ることができます。
金剛輪寺とは
金剛輪寺は滋賀県愛知郡愛荘町にある天台宗のお寺で、山号は松峯山(しょうほうざん)です。
西明寺(さいみょうじ)と百済寺(ひゃくさいじ)と共に湖東三山(ことうさんざん)の1つに数えられます。
湖東三山(ことうさんざん)とは
滋賀県湖東地方の西明寺・金剛輪寺・百済寺の3つの天台宗寺院の総称。金剛輪寺は湖東三山の真ん中のお寺として親しまれている。
金剛輪寺は奈良時代の天平13年(741年)に聖武天皇の勅願で行基(ぎょうき)によって開山されました。
平安時代の嘉承年間(850年)には天台宗の僧である慈覚大師(じかくだいし)が比叡山延暦寺より来山し、天台密教の道場とされて以来、天台宗の大寺となっています。
寿永2年(1183年)には源義経が武運必勝を祈願して太刀を寄進しています。
金剛輪寺のおすすめの順路と参拝方法
金剛輪寺のおすすめの順路と参拝方法をご紹介します。金剛輪寺の境内図もあわせてチェックしてみてください。
①黒門(惣門)をくぐって拝観受付へ向かう
黒門(惣門)の前で合掌一礼してから境内に入り、右側通行で拝観受付へ向かいます。
黒門から拝観受付まではすぐそこの距離にあります。入山料(拝観料)は一人600円です。
受付で御朱印帳を預けると、参拝から帰ってくるまでの間に御朱印を書いて頂くことができます。
本堂でも御朱印を頂くことができますが、観光シーズンなど混み合っている時は受付で御朱印帳を預けておくと待ち時間が少なくてすみます。
②本堂へ向かう
入山料を納めたら本堂へ向かいます。
拝観受付付近から本堂までは約500mです。
拝観受付から真っ直ぐ進んで行くと、正面に阿弥陀如来を安置している西谷堂が見えます。
西谷堂を左に曲がると赤門があるので右に曲がり、
道なりに進みます。
千体地蔵が見えてきました。
まだまだ真っ直ぐ進みます。
キレイな景色が続きます。
右手に地蔵堂が見えたら本堂まであと半分くらいです。
さらに進みます。ゆるやかな傾斜なので登るのはそれほど大変ではありません。
二天門が見えてきました。
室町時代中頃に建立された二天門は重要文化財に指定されていて、門の左右に増長天と持国天が安置されています。
寺伝によると、元々は楼門(二階建て門)でしたが、江戸時代中頃に二階部分を失い、現在の一重になったそうです。
二天門には大草鞋が奉納されていますが、この大草鞋には七難即滅の願いが込められています。
二天門を合掌一礼してくぐったら、いよいよ本堂が見えます。
③手水舎で身を清める
二天門をくぐったら右手に手水舎があるので身を清めます。
手水舎の近くには県指定文化財の銅鐘もあります。
④香炉でお線香をお供えする
二天門の正面にある香炉でお線香をお供えします。
お線香は香炉の横にあり、3本50円でお供えできます。金運をあげるなら一人6本お供えするのがおすすめです。
⑤本堂で参拝
お線香をお供えしたら「国宝 金剛輪寺本堂」で参拝します。
入り口は左にあります。
秘仏日本最古の大黒天(金運の神)は本堂内の左手で拝見できます。
大黒天の真言は「おん まかきゃらや そわか」です。「真言を唱えさせて頂きます」と言ってから、合掌して真言を18回唱えるのがおすすめです。声に出しても良いですし、心の中で唱える形でも大丈夫です。時間が許すようであれば108回唱えるとさらに良いです。
日本最古の大黒天とは別に「打ち出の小槌を持った大黒天」も祀られているので、両方の大黒様にご挨拶をしてたくさんのご利益を頂きましょう。
なお、本堂内で御朱印や授与品を頂けます。
⑥三重塔で参拝
本堂で参拝したら三重塔に向かいます。三重塔は本堂の左手にあり、徒歩2分もあれば着きます。
三重塔の近くには京都府出身の俳人「豊田都峰」の句が刻まれた石碑もあります。「山見えぬ日も山へ咲く桐の花 都峰」
三重塔に着きました。
三重塔は重要文化財に指定されています。建立についての記録はありませんが、様式手法から南北朝時代(1336年~1392年)の建築と考えられています。
塔内の撮影はNGなので写真はありませんが、胎蔵界大日如来が安置されています。
これで参拝は完了です。出る時はまた黒門から出ていきますが、金剛輪寺には他にも地蔵堂などのお堂や、
不動堂(現在の新護摩堂・地蔵堂の奥にあり)、
稲荷社、
桃山、江戸初期、中期の三庭からなる名勝庭園、
博物館(大人300円・小中学生150円)などがあるので、お時間が許す方はぜひ回ってみてください。
金剛輪寺のアクセスマップ
■金剛輪寺
【住所】滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺874
【アクセス】JR稲枝駅からタクシーで約15分
【駐車場】無料・普通車300台程度駐車可
まとめ
秘仏日本最古の大黒天(金運の神)は普段拝むことができない大変貴重な秘仏です。特別公開されている時にぜひ金剛輪寺に足を運んでみてください。