祓詞(はらえことば)は心身のお祓いをする祝詞です。
祓詞を唱えると、お祓いを司る神々の御神力により「禍事(まがごと/災い)・罪・穢れ(けがれ)」を祓い清めて頂くことができます。
神様の前にいるにふさわしい清らかな状態になることができるので、神前ではまず祓詞を唱えます。
この記事では、祓詞の意味や唱え方についてまとめました。
祓詞のPDFもダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみてください。
祓詞の全文の意味
祓詞の意味を見ていきましょう。
掛(か)けまくも畏(かしこ)き伊邪那岐大神(いざなぎのおほかみ)
「口に出してお名前を申し上げるのも恐れ多い伊邪那岐大神が」
筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘小戸(たちばなのをど)の阿波岐原(あはぎはら)に
「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で」
御禊祓(みそぎはら)へ給(たま)ひし時(とき)に生(な)り坐(ま)せる祓戸(はらへど)の大神等(おほかみたち)
「禊祓いをなされた時にお生まれになった祓戸の大神等よ」
諸諸(もろもろ)の禍事罪穢(まがごとつみけがれ)有(あ)らむをば
「様々な災難や罪穢れがあるならば」
祓(はら)へ給(たま)ひ清(きよ)め給(たま)へと白(まを)す事(こと)を聞(き)こし食(め)せと
「お祓いくださいお清めくださいと申し上げる事をお聞き届けくださいと」
恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す
「恐れ多くも申し上げます」
祓詞の現代語訳
先にお伝えした内容をまとめた祓詞の意訳です。
口に出してお名前を申し上げるのも恐れ多い伊邪那岐大神が、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊祓いをなされた時にお生まれになった祓戸の大神等よ、様々な災難や罪穢れがあるならば、お祓いくださいお清めくださいと申し上げる事をお聞き届けくださいと恐れ多くも申し上げます。
祓詞のダウンロード
祓詞のPDFはこちらからダウンロードできます。
祓詞の唱え方
祓詞は主に神社参拝時と邪気払いをしたい時に唱えます。
神社参拝の時
祓詞を神社で唱える時は次のように参拝するのがおすすめです。
- 二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
- 祓詞を2回唱える
- 二拝二拍手一拝
1つずつ詳しく見ていきましょう。
なお、祝詞の奏上は時間がかかるので、他の方のご迷惑にならないよう端によって唱えるようにしてください。「目の前で唱えないと意味がない」などはありませんので、端によって唱える形で大丈夫です。
①二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
まずはお賽銭を入れて二拝してから「私は1980年1月1日生まれの山田太郎です。東京都江戸川区〇〇1-1-1に住んでいます。」と自己紹介します。
初めて人と会った時も自己紹介するように、神様にもきちんと自己紹介することが大切です。声に出して言っても良いですし、心の中で言っても大丈夫です。
神社のお賽銭は100円玉がおすすめです。
②祓詞を2回唱える
祓詞を2回唱えます。
声に出しても良いですし、心の中で唱えても大丈夫ですが、抑揚をつけずゆっくりと読むのがポイントです。
言葉に言霊が宿っていることを認識し、一言一句正確に読み上げましょう。
祓詞をゆっくり2回唱えるのにかかる時間は約2分です。
時間に余裕がない時は、祓詞の代わりに祓詞を短くした略祓詞(りゃくはらえことば)を唱える形でも大丈夫です。
時間に余裕がない時は祓詞の代わりに略祓詞を唱え、お祓いを司る神々に心身を祓い清めて頂きましょう。
略祓詞のダウンロードはこちらからできます。
③二拝二拍手一拝
二拝二拍手の後、神恩感謝と3回声に出して唱えるか、心の中で唱えます。神恩感謝は神様の生成発展を願うお祈りです。その後、一拝します。
これで参拝は完了です。
邪気払いしたい時
祓詞は強力な邪気払いができる真言でもあります。邪気払いをしたい時は祓詞を2回唱えてください。
声に出して唱えられる時は声に出して、周りに人がいる時は心の中で唱える形で大丈夫です。この時も抑揚をつけずゆっくりと読むのがポイントです。
時間に余裕がない時は、祓詞の代わりに略祓詞を唱える形でも大丈夫です。
お祓いを司る神々に心身を祓い清めて頂くことができるので、邪気払いをしたい時は2回唱えてください。
祓詞を理解するために読みたい神話
祓詞を理解するために読みたい神話は「伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)の黄泉の国の神話」です。
祓詞の起源
祓詞は伊邪那岐神と伊邪那美神の黄泉の国の神話から来ています。
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で禊を行った際に生まれた神々に、お祓いをお願いする内容となっています。
まとめ
祓詞は神社で参拝する時もそうですが、邪気払いにも使える祝詞です。ぜひ普段から唱えるようにしてみてください。