お寺でよく唱える仏様の真言(マントラ)を一覧にしてまとめました。
如来部・菩薩部・観音部・明王部・天部に分け、さらにサンスクリットと日本語に分けてご紹介しています。
真言を唱える時のポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
お寺でよく唱える仏様の真言一覧
お寺で唱える真言(マントラ)をサンスクリットと日本語に分けてご紹介していきます。唱える時はサンスクリットの方が効くのでおすすめです。
*真言は経典によって違いがあります。宗派によっても異なる場合があります。
如来部
如来は悟りを開いた仏のことです。(サンスクリットでタターガタ。真実から来た者という意味。)仏様の中で最高位の存在です。
如来 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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胎蔵界大日如来 | オーン アヴィラ フゥーン カァーン oṃ a vi ra hūṃ khaṃ | おん あびら うん けん |
金剛界大日如来 | オーン ヴァジュラ ダートゥ ヴァーン oṃ vajra-dhātu vaṃ | おん ばざら だと ばん |
阿弥陀如来 | オーン アムリタ テージェー ハラ フゥーン oṃ amṛta-teje hara hūṃ | おん あみりた ていぜい から うん |
釈迦如来 | ナーマー サマンター ブッダーナーン バハ namaḥ samanta-buddhānāṃ bhaḥ | のうまく さんまんだ ぼだなん ばく |
薬師如来 | オーン フル フル チャンダーリ マータンギー スヴァーハー oṃ huru huru caṇḍāli mātaṅgi svāhā | おん ころころ せんだり まとうぎ そわか |
阿閦如来 | オーン アクショービヤ フゥーン oṃ akṣobhya hūṃ | おん あきしゅびや うん |
宝生如来 | オーン ラトナサンバヴァ トラーハ oṃ ratna-sambhava trāḥ | おん あらたんのう さんばんば たらく |
観自在王如来 | オーン ロケーシュヴァラ ラージャ フリーヒ oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ | おん ろけいじんばら あらんじゃ きりく |
不空成就如来 | オーン アモガァシッディ アー oṃ amogha-siddhe aḥ | おん あぼきゃしっでい あく |
菩薩部
菩薩とは「菩提薩埵=菩提(悟り)を求める薩埵(人)」の略で、悟りを求めて修行する存在(如来になる前の存在)のことです。(サンスクリットでボーディ・サットヴァ)
菩薩 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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虚空蔵菩薩 | ナーモー アーカーシャ ガルヴァーヤ オーン アリカー マーリー ムウリー スヴァーハー namo ākāśa-garbhāya oṃ alika māli muli svāhā | のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか |
文殊菩薩 | オーン ア ラ パ チャ ナ oṃ a ra pa ca na | おん あらはしゃのう |
普賢菩薩 | オーン サマヤス トヴァン oṃ samayas tvaṃ | おん さんまや さとばん |
金剛薩埵 | オーン ヴァジュラサットヴァ アー oṃ vajra-sattva āḥ | おん ばさら さとば あく |
弥勒菩薩 | オーン マイトレーヤ スヴァーハー oṃ maitreya svāhā | おん まいたれいや そわか |
日光菩薩 | オーン スーリヤ プラバヤ スヴァーハー oṃ sūryaprabhaya svāhā | おん そりや はらばや そわか |
月光菩薩 | オーン チャンドラ プラバヤ スヴァーハー oṃ candraprabhaya svāhā | おん せんだら はらばや そわか |
地蔵菩薩 | オーン ハハハ ビスマーイェー スヴァーハー oṃ ha ha ha vismaye svāhā | おん かかか びさんまえい そわか |
勝軍地蔵菩薩 | ナーマー サマンター ブッダーナーン ハハハ スタヌ スヴァーハー Namaḥ samanta buddhānāṃ Ha ha ha sutanu svāhā | のうまく さまんだ ぼだなん かかか そたど そわか |
勢至菩薩 | オーン サン ジャン ジャン サハ スヴァーハー oṃ saṃ jaṃ jaṃ saḥ svāhā | おん さんざんざんさく そわか |
金剛波羅密菩薩 | オーン サットヴァ ヴァジュリ フゥーン oṃ sattvavajri hūṃ | おん さとばばじり うん |
観音部
観音は観音菩薩、観世音菩薩、観自在菩薩ともいい、菩薩の一尊です。世の中を観察し、あらゆる姿に変身して人々を救い、幸福をもたらします。(サンスクリットでアヴァローキテーシュヴァラ。「観ること自在なり」で観自在と訳す。)
観音 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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千手観音 | オーン ヴァジュラ ダルマ フリーヒ oṃ vajra-dharma hrīḥ | おん ばざら たらま きりく そわか |
十一面観音 | オーン ローケーシュヴァラ ラージャ フリーヒ oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ | おん ろけいじんばら らじゃ きりく |
聖観音 | オーン アロリキャ スヴァーハー oṃ ālolik svāhā | おん あろりきや そわか |
如意輪観音 | オーン ヴァラダ パドメ フゥーン oṃ varada-padme hūm | おん ばらだはんどめい うん |
准胝観音 | オーン チャレー チューレー チュンディー スヴァーハー oṃ cale cūle cundī svāhā | おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか |
不空羂索観音 | オーン アモーガ ヴィジャヤ フゥーン パット oṃ amogha-vijaya hūm phaṭ | おん あぼきゃ びじゃや うん はった |
馬頭観音 | オーン アムリト ドハヴァ フゥーン パット スヴァーハー oṃ amṛtodbhava hūm phaṭ svāhā | おん あみりと どはんば うん はった そわか |
明王部
明王は大日如来の命を受けて煩悩や悪を討ち、仏法を守護しています。如来の変化身とも言われています。
明王 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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不動明王 | ナーマー サマンター ヴァジュラナーム チャンダー マハーローサーナー スポタヤ フゥーン トラット ハァーン マァーン namaḥ samanta-vajrāṇāṃ caṇḍa-mahāroṣaṇa sphoṭaya hūṃ traṭ hāṃ māṃ | のうまく さんまんだ ばざらだん せんだんまかろしゃだ そわたや うんたらた かん まん |
降三世明王 | オーン スンバ ニスンバ フーン ヴァジュラ フゥーン パット oṃ sumbha nisumbha hūṃ vajra hūṃ phaṭ | おん そんば にそんば うん ばさら うん はった |
軍荼利明王 | オーン アムリテー フゥーン パット oṃ amṛte hūṃ phaṭ | おん あみりてい うん はった |
大威徳明王 | オーン シュトリーヒ カーラ ルーパ フゥーン カーン スヴァーハー oṃ ṣṭrīḥ kāla rūpa hūṃ khām svāhā | おん しゅちり きゃら ろは うん けん そわか |
金剛夜叉明王 | オーン ヴァジュラヤクシャ フゥーン oṃ vajra-yakṣa hūṃ | おん ばざら やきしゃ うん |
愛染明王 | オーン マハーラーガ ヴァジュロシュニーシャ ヴァジュラサットヴァ ジャー フゥーン ヴァン ホー oṃ mahārāga vajroṣnīṣa vajrasattva jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ | おん まからきゃ ばぞろうしゅにしゃ ばざらさとば じゃく うん ばん こく |
烏枢沙摩明王 | オーン シュリマリ ママリ マリ シュシュリ スヴァーハー oṃ śrimali mamali mali śuśri svāhā | おん しゅり まり ままり まり しゅしゅり そわか |
孔雀明王 | オーン マーユーラークラーンテ スヴァーハー oṃ māyūrā-krānte svāhā | おん まゆらぎ らんてい そわか |
大元帥明王 | ナマス タリー タブリー バラブリー シャッキャメー シャッキャメー トラサッダーン オヤンヴィ スヴァーハー namas tariḥ taburiḥ bharaburiḥ śakyame śakyame trasaddhām oyaṃvi svāhā | のうぼう たりつ ぼりつ はらぼりつ しゃきんめい しゃきんめい たらさんだん おえんび そわか |
青面金剛 | オーン デヴァヤクシャ バンダ バンダ ハハハハ スヴァーハー oṃ deva-yakṣa bandha bandha ha ha ha ha svāhā | おん でいばやきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか |
天部
天部は仏教に帰依した古代インドのバラモン教の神々のことです。仏様や仏道を守護しています。ちなみに「天」は古代インドの呼び名である天竺(てんじく)のことです。
天 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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大黒天 | オーン マハーカーラーヤ スヴァーハー oṃ mahā kālāya svāhā | おん まかきゃらや そわか |
弁才天 | オーン サラスヴァティェー スヴァーハー oṃ sarasvatye svāhā | おん そらそばてい えい そわか |
摩利支天 | オーン マリーチイェー スヴァーハー oṃ marīciye svāhā | おん まりしえい そわか |
迦楼羅天 | オーン ガルダヤ スヴァーハー oṃ garudaya svāhā | おん がるだや そわか |
毘沙門天 (多聞天) | オーン ヴァイシュラヴァナーヤ スヴァーハー oṃ vaiśravaṇāya svāhā | おん べいしらまんだや そわか |
持国天 | オーン ドゥリタラーシュトラ ラーラー プラマダナ スヴァーハー oṃ dhṛtarāṣṭra-rārā-pramadana svāhā | おん ぢりたらしたら らら はらまだのう そわか |
増長天 | オーン ヴィルーダカ ヤクシャーディパタイェー スヴァーハー oṃ virūḍhaka-yakṣādhipataye svāhā | おん びろだか やきしゃぢはたえい そわか |
広目天 | オーン ヴィルーパークシャ ナーガーディパタイェー スヴァーハー oṃ virūpākṣa-nāgādhipataye svāhā | おん びろばきしゃ なぎゃ じはたえい そわか |
帝釈天 | オーン インドラーヤ スヴァーハー oṃ indrāya svāhā | おん いんどらや そわか |
閻魔天 | オーン ヤマーヤ スヴァーハー oṃ yamāya svāhā | おん えんまや そわか |
火天 | オーン アグナイェ スヴァーハー oṃ agnaye svāhā | おん あぎゃなえい そわか |
風天 | オーン ヴァーヤヴェ スヴァーハー oṃ vāyave svāhā | おん ばやべい そわか |
水天 | オーン ヴァルナーヤ スヴァーハー oṃ varuṇāya svāhā | おん ばろだや そわか |
羅刹天 | オーン ニリティェー スヴァーハー oṃ nirṛtye svāhā | おん じりちえい そわか |
伊舎那天 | オーン イシャナーヤ スヴァーハー oṃ īśanāya svāhā | おん いしゃなえい そわか |
梵天 | オーン ブラフマネー スヴァーハー oṃ brahmaṇe svāhā | おん ぼらかんまねい そわか |
地天 | オーン プリティヴィイェー スヴァーハー oṃ pṛthiviye svāhā | おん はりちべい そわか |
日天 | オーン アーディティヤーヤ スヴァーハー oṃ ādityāya svāhā | おん あにちや そわか |
月天 | オーン チャンドラーヤ スヴァーハー oṃ candrāya svāhā | おん せんだらや そわか |
吉祥天 | オーン マハーシュリイェー スヴァーハー oṃ mahā-śriye svāhā | おん まかしりえい そわか |
韋駄天 | オーン ヴィダティ マハーゴータ スヴァーハー oṃ vidhati mahāghota svāhā | おん いだていた もこていた そわか |
大自在天 | オーン マヘーシュヴァラーヤ スヴァーハー oṃ maheśvarāya svāhā | おん まけいしばらや そわか |
緊那羅天 | オーン ハサナーン ヴィハサナーン スヴァーハー oṃ hasanāṃ vihasanāṃ svāhā | おん かさなん びかさなん そわか |
乾闥婆天 | オーン ヴィシュダ スヴァラ ヴァーヒニ スヴァーハー oṃ viśuddha-svara-vāhini svāhā | おん びしゅだ さばら ばけいに そわか |
八大龍王 | オーン メーガーシャナーヤ スヴァーハー oṃ megha-aśanāya svāhā | おん めいぎゃ しゃにえい そわか |
難陀竜王・ 跋難陀龍王 | オーン ナンドーパナンダヨーホ スヴァーハー oṃ nandopanandayoḥ svāhā | おん なんだ ばなんだ えい そわか |
鬼子母神 (訶梨帝母) | オーン ドゥドゥマーリ ハーリティー スヴァーハー oṃ dudumāli hārite svāhā | おん どどまり ぎゃきてい そわか |
荼枳尼天 (荼吉尼天) | おん だきに ぎゃち ぎゃかにえい そわか おん しらばった にり うん そわか(豊川稲荷) | |
聖天 (歓喜天) | オーン フリーヒ ガハ フゥーン スヴァーハー oṃ hrīḥ gaḥ hūṃ svāhā | おん きりく ぎゃく うん そわか |
七福神
毘沙門天・弁財天・大黒天・恵比寿天・布袋尊・寿老人・福禄寿の真言です。
七福神 | サンスクリット語 | 真言(日本語) |
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毘沙門天 | オーン ヴァイシュラヴァナーヤ スヴァーハー oṃ vaiśravaṇāya svāhā | おん べいしらまんだや そわか |
弁才天 | オーン サラスヴァティェー スヴァーハー oṃ sarasvatye svāhā | おん そらそばてい えい そわか |
大黒天 | オーン マハーカーラーヤ スヴァーハー oṃ mahā kālāya svāhā | おん まかきゃらや そわか |
恵比寿天 | オーン インドラーヤ スヴァーハー oṃ indrāya svāhā | おん いんどらや そわか |
布袋尊 | オーン マイトレーヤ スヴァーハー oṃ maitreya svāhā | おん まいたれいや そわか |
寿老人 | オーン ヴァジュラユセー スヴァーハー oṃ vajrāyuṣe svāhā | おん ばざら ゆせい そわか |
福禄寿 | オーン マハーシュリ スヴァーハー Oṃ mahā-śri svāhā | おん まかしり そわか |
三十六童子
不動明王の眷属の三十六童子の真言です。こちらは日本語の真言のみです。
三十六童子 | 真言 |
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矜迦羅童子 (こんがらどうじ) | おん ばさらき たったり そわか |
制吒迦童子 (せいたかどうじ) | おん しゅと とば うんばった |
不動恵童子 (ふどうえどうじ) | おん しゅまり ばさら だんかん |
光網勝童子 (こうもうしょうどうじ) | おん そば ろぎ ばった ばった そわか |
無垢光童子 (むくこうどうじ) | のうまく からばん きりく |
計子爾童子 (けいしにどうじ) | おん かく まり そわか |
智慧幢童子 (ちえどうどうじ) | おん そんば さんば さんばんそわか |
質多羅童子 (しったらどうじ) | うん たらまち しったら うんばった |
召請光童子 (ちょうしょうこうどうじ) | おん まり ままり しゅまり しゑまり とどまり ばった |
不思議童子 (ふしぎどうじ) | おん ろけい そわか |
羅多羅童子 (らたらどうじ) | おん らた らた らま そわか |
波羅波羅童子 (はらはらどうじ) | おん はら しつ びたまに あんをん そわか |
伊醯羅童子 (いけいらどうじ) | おん だぎに ゑい そわか |
師子光童子 (ししこうどうじ) | おん まり たりたり そわか |
師子慧童子 (ししえどうじ) | おん まい たりや そわか |
阿婆羅底童子 (あばらちどうじ) | のうまく けん さくそわか |
持堅婆童子 (じけんばどうじ) | おん まんしん だらに そまや そわか |
利車毘童子 (りしゃびどうじ) | おん しばれい そわか |
法挾護童子 (ほうきょうごどうじ) | おん ぎゃきてい とんばんば きりく |
因陀羅童子 (いんだらどうじ) | おん いんだらや そわか |
大光明童子 (だいこうみょうどうじ) | のうまく さまんだ かんまん きりく |
小光明童子 (しょうこうみょうどうじ) | おん しんばら そわか |
佛守護童子 (ぶっしゅごどうじ) | おん あぼぎゃ ばだらや そわか |
法守護童子 (ほうしゅごどうじ) | おん きまれい そわか |
僧守護童子 (そうしゅごどうじ) | きりく さんばん たらく |
金剛護童子 (こんごうごどうじ) | おん だきに ゑい きりく そわか |
虚空護童子 (こくうごどうじ) | おん めいが しゃに へんばら うん そわか |
虚空蔵童子 (こくうぞうどうじ) | おん そんばや そんばや そわか |
宝蔵護童子 (ほうぞうごどうじ) | おん まか きゃらば そわか |
吉祥妙童子 (きちしょうみょうどうじ) | おん びだまや そわか |
戒光慧童子 (かいこうえどうじ) | おん さらてい さらてい そわか |
妙空蔵童子 (みょうくうぞうどうじ) | おん こうなん とくじつ そわか |
普香王童子 (ふこうおうどうじ) | おん あい びしゃに はった はった そわか |
善你師童子 (ぜんにしどうじ) | おん はんめい ばざら やきしゃ うん |
波利迦童子 (はりかどうじ) | おん けん まにまに そわか |
烏婆計童子 (うばけいどうじ) | おん たらまや きりく そわか |
その他
その他、北極星と集合した妙見菩薩、日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた修験道、仏教と日本の神が習合した垂迹神(すいじゃくしん)の真言です。こちらも日本語の真言のみです。
その他 | 真言 | 種類 |
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妙見菩薩 | おん そじりしゅた そわか おん まかしりえい ぢりべい そわか | 星宿 |
蔵王権現 | おん ばきりゅう そわか | 修験道の神 |
神変大菩薩 | おん ぎゃく ぎゃく えんのうばそく あらんぎゃ そわか | 修験道の神 |
三宝荒神 | おん けんばや けんばや そわか | 修験道の神 |
雨宝童子 | おん ばそたれい そわか | 垂迹神 |
牛頭天王 | おん ごず でいば せいがん ずいき えんめい そわか | 垂迹神 |
宮毘羅大将 (金毘羅神) | おん くびらや そわか(宮毘羅咒) おん ひらひらこんぴら こんてい そわか(金毘羅神咒) | 垂迹神 |
道祖神 | おん さげい さめい うん はった | 垂迹神 |
庚申 | おん こうしんでい こうしんでい まいたり まいたり そわか | 垂迹神 |
真言を唱える時の3つのポイント
真言(マントラ)を唱える時のポイントは3つあります。
①サンスクリットで唱える
真言は日本語よりもサンスクリットで唱えた方が比べものにならないほど効きます。
サンスクリット語は音楽のように聞こえる言語なので、真言を唱える時も音声波動が重要だからです。
サンスクリットと言っても、このページでは日本語のカタカナで発音を表現しているので正確な発音ではありませんが、できるだけ元の原文に近い発音の方が効果が高いです。
例えば胎蔵界大日如来の真言はサンスクリットだと「オーン アヴィラ フゥーン カァーン(oṃ a vi ra hūṃ khaṃ)」で、日本語だと「おん あびら うん けん」です。
日本語で発音したとしても「オーン アヴィラ フゥーン カァーン」の方が元のサンスクリットの音に近いので、こちらの方がパワーが強くなります。
中には日本語だと大きく発音が変わってしまう真言もあるので、高い効果を得るためにもサンスクリットの方で唱えるようにしてください。
なお、真言は声に出して唱えた方が良い(小声でOK)ですが、周りに人がいる時はご迷惑がかからないよう心の中で唱える形で大丈夫です。
②真言を唱える回数は6の倍数にする
真言を唱えるおすすめの回数は18回ですが、6の倍数なら最高108回まで唱えて大丈夫です。
時間がない時は最低6回は唱え、時間がある時は108回唱えることにもチャレンジしてみてください。
③合掌して唱える
真言は合掌しながら唱えてください。
仏教には様々な手印(しゅいん)があります。
手印(しゅいん)とは
手の指で印を結ぶこと。仏・菩薩・諸尊の内面的な悟りを示したもの。
例えば胎蔵界大日如来は法界定印(ほっかいじょういん)、金剛界大日如来は智拳印(ちけんいん)のように色々とありますが、合掌しながら唱える形で大丈夫です。
真言とは
真言とは、古代インドの言語サンスクリット語で書かれた仏の言葉を音写したものです。サンスクリット語ではマントラ(Mantra)と言い、仏や菩薩の誓いや教え、功徳などを秘めているとされています。
密教では真言を「仏の真実の言葉・神秘的な力を発する言葉」と定義し、文字数が短いものを真言、長いものは陀羅尼(だらに)、一字や二字のものは種子(しゅじ)真言と呼びます。
真言は浄土真宗を除く様々な仏教の宗派で用いられる呪文的な語句で、漢訳経典では真言の他にも明咒・神咒・密咒・密言などと訳すこともあります。
真言の起源
真言の起源は仏教成立以前です。
古代インドでは言葉には魂が宿って言霊となり、神聖や霊妙な働きを持つという思想があり、アーリア人が古代インドに侵入する前の時代、アーリア人は火神(アグニ)にマントラを捧げて敵を退けたり、病を癒す時に唱えて祈っていました。
バラモン教時代から様々な神に祈る時も唱えるようになり、神々への帰依、祈願、讃仰の聖句(さんぎょうのせいく)、聖典ヴェーダの1つ「リグ・ヴェーダ」の讃歌(さんか)などの儀式で唱えられたのがマントラ(真言)の始まりです。
もっと詳しく
聖典ヴェーダとは、宇宙を司る最高神ブラフマン(梵)の語る言葉(知恵)を霊感によって受け取った伝説の聖仙(リシ)がバラモン教に伝え、集成されたのがインド最古の聖典。讃仰の聖句(さんぎょうのせいく)とは、聖人や偉人などの徳を称え読まれたもの。
バラモン僧たちは「神々を褒め称えるマントラ」を唱えることで祈りが成就すると考え、ヴェーダ時代(紀元前1500年〜前600年頃)には、治療や息災、調伏などの呪法に用いるマントラを記された「アタルヴァ・ヴェーダ」が成立し、神々に思いを伝える合図(信号)として発展していきました。
ヴェーダ時代の終末期、現世御利益ばかりを追い求めてしまう手段とみなした仏陀(ブッダ)は修行(悟り)の妨げになると思い、マントラを始めとする呪術を禁じますが、生活の技術(病や害虫などから身を守る術)と化したマントラは黙認するしかありませんでした。
やがて仏教が拡大すると護身のマントラなどを集成したパリッタ(護呪経)が成立し、紀元前2世紀頃になるとブッダの教えを体系化した経・律・論(三蔵)に加えて、呪句・呪文からなる明咒蔵を奉げる一派も現れました。
密教の初期(雑密の時代/4世紀〜)、仏教はバラモン教起源の民族宗教を大幅に取り入れ、礼拝儀礼や供養法と結びついた実践法をさらに生み出していきます。その過程でマントラは様々な実践法に組み込まれ、現世御利益などの呪法の中心となっていきました。
その後、ヒンドゥーの仏教化が進行し、7世紀に誕生した「大日経・金剛頂経」など密教の経典が成立し、中期密教の真言は悟りを求め成仏するための手段として修行で用いられました。
その頃中国では仏教の広がりと共に道教の呪禁の法と融合され、それを空海が日本に持ち込んで真言として広めました。日本では真言宗や天台宗、修験道などの宗派で真言が唱えられています。
まとめ
サンスクリットの真言を唱え、仏様のご利益を最大限に頂けるようにしていきましょう。