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ひふみ祝詞の全文の意味と現代語訳を解説|PDFダウンロードもあり

2021年8月18日

ひふみ祝詞

ひふみ祝詞は古代から奏上されてきた「言霊の力が宿る祝詞」です。

厄災が幸福に転換されることから除災招福のご利益があるほか、鎮魂法(ちんこんほう)でも使われてきました。

鎮魂法とは、古神道で重要とされている行法の1つ。神の御魂を招いて自らの魂を広大にさせる「おおみたまふり」と、自分の魂が離れ散るのを招き返して結び止める「みたましずめ」の2つの意義がある。

この記事では、ひふみ祝詞に隠されたアナグラムや意味、唱え方についてまとめました。

ひふみ祝詞のPDFもダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみてください。

ひふみ祝詞に隠されたアナグラム

ひふみ祝詞は日本語の清音47音をそれぞれ1回だけ使って作られたアナグラムになっているので様々な捉え方ができます。

アナグラムとは、文字の位置を入れ替えて別の意味を持つ語句を作ること。いろは歌もアナグラムで作られている。

ひふみ祝詞を日本語ではなくヘブル語(ヘブライ語)で考えた場合、イスラエルの失われた10支族と日本の関係を研究していたヨセフ・アイデルバーグさんの著書「日本書紀と日本語のユダヤ起源」によると、

日本書紀と日本語のユダヤ起源
日本書紀と日本語のユダヤ起源

「ひい、ふう、みい、よお、いつ、むう、なな、やあ、ここの、とうぉ」をヘブル文字(ヘブライ文字)を使って書くと次のようになり、

היפה מי יוציאה מה נענה יקחנה תבוא

*ヘブル文字は右から左に書く

これは次のように発音し、

Hifa mi yotzia ma naane ykakhena tavo

ハイアファ ミ ヨツィア マ ナーネ ヤカヘナ タヴォ

意味は「誰がその美しい方(女神)を出すのでしょう。彼女に出て頂くために、いかなる言葉をかけたらいいのでしょう。」になると書かれています。

これは天照大御神(あまてらすおおみかみ)を天岩戸から出そうと天児屋命(あめのこやねのみこと)が祝福の祝詞を奏上し、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が舞踊を踊った場面にピッタリ当てはまります。

ヨセフ・アイデルバーグはウクライナ南部のオデッサに生まれたユダヤ人。1925年、イスラエル(当時パレスチナ)に両親と共に移住。ヘブル語・英語・フランス語・ドイツ語・ペルシア語・イェディッシュ語・アラビア語など7か国語を話す。イスラエル建国前は地下組織「ハガナ」のメンバーで、建国後はイスラエル国防軍の陸軍少佐を務めた。その後イスラエルの失われた10支族の研究に入る。京都の護王神社の見習い神官にもなり、神道や日本語、日本の歴史を研究した。

また、日ユ同祖論(日本・ユダヤ同祖論)を説いたノーマン・マクレオドさんと久保有政さんの著書「日本固有文明の謎はユダヤで解ける」では、

日本固有文明の謎はユダヤで解ける
日本固有文明の謎はユダヤで解ける

「ハイアファ ミ ヨツィア マ ナーネ ヤカヘナ タヴォ」の部分は「たが、そのうるわしめを出すのやら。いざないに、いかなる言葉をかけるやら。」という美しい詩文にもなると書かれています。

それぞれの意味は次の通りです。

ハイアファその美しい方
誰が
ヨツィア彼女を出すだろう
何と
ナーネ答える
ヤカヘナ誘って連れ出す
タヴォ彼女が来る

日本語としてそのまま考えた場合は冒頭の「ひふみよいむなやこと(一二三四五六七八九十)」は古来の数字の読み方で「数霊の力」を意味し、同時に数霊は神秘とされる十種神宝(とくさのかむたから)を表します。

十種神宝とは饒速日命(にぎはやひのみこと)が天降りする際、天神御祖(あまつかみみおや)から授けられた次の十種類の宝のことです。

灜津鏡(おきつかがみ)神羅万象を映す鏡でその栄をもたらす
邊津鏡(へつかがみ)神羅万象を映す鏡でその栄をもたらす
八握剱(やつかのつるぎ)如何なる邪悪な物も撃滅する剣
生玉(いくだま)生々たる霊徳(れいとく/すぐれた徳)のある玉
足玉(たるだま)足り満つる霊徳の玉で形態を作り上げる力を持つ
死反玉(まかるがへしのたま)死を反して活かす霊徳のある玉で死者をも蘇らせる力を持つ
道反玉(ちがへしのたま)非道悪習に流れようとする心を止めて正道善風に立ち復らしめる霊徳のある玉
蛇比禮(おろちのひれ/へびのひれ)毒蛇除けの比礼(ひれ/古代の女性が首にかけていた布)で蛇が自ずから静まる力を持ち、その害を受けた時はそれを癒す力も持つ
蜂比禮(はちのひれ)悪虫除けの比礼で悪虫が自ずから静まる力を持ち、その害を受けた時はそれを癒す力も持つ
品々物比禮/品物比禮(くさぐさのもののひれ)悪鳥や悪獣のみならずすべての妖を祓い、あらゆる邪を退ける力を持つ

神道秘密集伝神道の本・伏見神寶神社「神寶宝典」

神道秘密集伝
神道秘密集伝
神道の本
神道の本
伏見神寶神社「神寶宝典」
伏見神寶神社「神寶宝典」

ひふみ祝詞の現代語訳

宇宙の成り立ち(心理)やエネルギーの性質など、根本的なこの世界を表しているとも言われるひふみ祝詞は様々な捉え方ができます。

ひふみ祝詞の意訳を2つご紹介します。

①阿比留草(あひるくさ)文字で考えた時の意訳

神代文字の阿比留草文字で考えた時の意訳はこちらです。

一二三四五六七八九十百千万億兆と麻を蒔きなさい。そうすれば神様と結ばれてきます。生命力が強い大麻をたくさん育てれば、交わる罪穢れが遠くにさり、天から与えられた田畑を汗水垂らして一生懸命に耕すことができます。

ひふみ祝詞は対馬国(現九州一帯とその周辺の島々)を支配していた阿比留氏(あびるし)が代々伝承してきた祝詞であるという説もある。現代では奈良県の石上神宮や熊本県の幣立神宮がひふみ祝詞を奏上する神社として知られていて、幣立神宮には神代文字の1つ阿比留草(あひるくさ)文字でひふみ祝詞が刻まれた鑑石(かがみせき)が奉安されている。

文献上では大和国を本拠地とした豪族 物部氏(もののべし)の史書「先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)」の第3巻天神本紀に「もし痛むところあらば、この十宝をして、一二三四五六七八九十と言いて布瑠部(ふるべ)ゆらゆらと布瑠部。かく為(な)せば、死(まか)れる人は返りて生きなむ。(亡くなられた人をも蘇らす)」と詔(みことのり)をしたことが記されている。

先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)とは、天地に神が生まれた時から第33代推古天皇までの歴史が記述されている古書。大同年間(806~810年)~平安時代初期以前(~904年)に成立したとされる。この先代旧事本紀(「ひふみ」十音)を取り入れた神道家や神道流派はひふみ祝詞を重要としていたが、江戸初期に幕府の御用学者たちにより先代旧事本紀は偽書の恪印を押され、神道の主流から外された。明治維新時代より日本の歴史を伝える記紀を基に国家神道の整備が始まったことでひふみ祝詞は滅多に世に出ることはなくなった。

ちなみに、第65代花山天皇の子孫である白川家が受け継いだ神道「伯家神道(はっけしんとう)」が採用していたのがひふみ祝詞だった。伯家神道は神道の中心的存在の宮中に伝わる古来の祭式儀礼を長く維持し継承してきた名流で、ひふみ祝詞は斎主(さいしゅ/神事を執り行う最高位の神官)が神前で奏上する神聖なものとされていた。

一般には出回ることがなかったひふみ祝詞だが、岡本天明(おかもとてんめい)が神からの啓示を受けて作った「日月神示(ひつきしんじ/ひつくしんじ)」という書物にひふみ祝詞が記され、世に出回ったことで多くの人が唱えるようになった。岡本天明とは、偽書とされた古文献の復権と再評価を目的としていた神道家、神典研究家、画家。昭和19年「ひつくの神」から神示を授かり日月神示という神霊予言書を記した。参考 古神道の本

古神道の本
古神道の本

②一般的な意訳

一般的な他の意訳としては次のような意訳があります。

全ての生物、森羅万象は恩顧(おんこ/万物の恵みを受けとること)により生を受ける(身を捧げる)ものです。日々の生活は日の神、月の神の慈しみによること至大です。日の神、月の神は人々の苦悩を去らしめ、悪神がとりつくことから守ってくださいます。田畑で育つ穀物は豊かに実り、海の魚は豊富に獲得できます。全ての人が喜びと共に働いて日々を生き、飢え渇くことはありません。朝に出て日を背に汗し、夕に帰る喜びに感謝し、日の神、月の神の出現を祈り拝せよ。

ひふみ祝詞のダウンロード

ひふみ祝詞のPDFはこちらからダウンロードできます。

ひふみ祝詞

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ひふみ祝詞の唱え方

ひふみ祝詞のおすすめの唱え方は船井総合研究所の創業者である船井幸雄(舩井幸雄)さんの著書「素晴らしき真言」で紹介されている唱え方です。

素晴らしき真言
素晴らしき真言

ひふみ祝詞を3回唱え、最後に「布留部 由良由良止 布留部(ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」を付け加える唱え方になります。

ひふみ祝詞

言語学の研究家の七沢賢治さんは、言霊学の第一人者で、言霊や真言にすごく詳しい人です。彼はこの「ひふみのりと」のさいごの方に「布留部、由良由良止、布留部」を付言し、3度以上つづけて唱えると、「よい思いは叶うようだ」と言っているように思います。ちなみに、それは、上記のようになります。これが事実であることは私も、多くの友人も実験して確かめております。

素晴らしき真言

こちらのPDFもダウンロードできます。1日3回くらい唱えると良いと言われているのでぜひ唱えてみてください。

→「おすすめのひふみ祝詞の唱え方」のPDFをダウンロードする

ひふみ祝詞の起源

ひふみ祝詞の起源は天照大御神が天岩戸に身を隠した時、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が神舞を舞ってこの神歌を詠ったのが起源であると伝わります。

天宇受賣命は日本最古の踊り子。太陽神である天照大御神が天岩戸に身を隠した時、天照大御神の気を引こうと歌楽や舞踊を踊った女神。これにより天照大御神が再び世に現れて世界に太陽の光が戻った。天孫降臨の際には高千穂までの道を導くために待ち迎えた猿田毘古神(さるたびこのかみ)と、高天原の神々を連れた邇邇芸命(ににぎのみこと)との間を取り持った。芸能の神として信仰される。

 まとめ

言霊である47文字から形成された「いろは歌」が様々な意味を持つように、「ひふみ祝詞」も気づく人が見ればわかるように狙って作られていると言えます。ぜひ参考にしてみてください。

園善博

園 善博|この記事を書いた人

京都出身の速習法インストラクター。経営の神様と呼ばれた松下幸之助など数多くの有名企業が神仏に祈念しているのを見て「目に見えない運気を高めることが成功につながる」と考え、独立してから風水や西洋魔術、神道、真言密教、陰陽道など、多岐に渡るジャンルを先生に師事し、15年以上学ぶ。独自の「速習法」や「勉強法」を公開した書籍は10冊を超え、講師歴12年で10,000名以上の受講生を輩出。→プロフィール詳細へ

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