元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)の奥宮 真名井神社(まないじんじゃ)は、約2,500年前の古代の祭祀場が残っている日本最古の聖域です。
社殿の裏の磐座(いわくら)には豊受大神(とようけおおかみ)や天照大神(あまてらすおおかみ)など神格が高い神様が祀られているだけでなく、紀元前の時代から大切にされてきた「天の真名井の水(あめのまないのみず)」を頂くことができます。
この記事では、真名井神社のご利益や必ず手にしたい授与品、真名井神社ならではの魅力、おすすめの順路と参拝方法などをまとめました。
真名井神社は日本最古の聖域というだけあり、遊びで行くような神社ではありません。地元の天橋立観光協会では「不純な気持ちでの参拝はお控えください」と注意書きがあるほどです。
真名井神社の歴史を勉強し、神様への感謝の気持ちを持って礼儀正しく参拝しましょう。
*授与品の金額はお受けした当時の金額です。
真名井神社のご利益
元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)の奥宮真名井神社の御神徳はこちらです。
- 五穀豊穣
- 衣食住守護
- 諸業繁栄
真名井神社の御祭神は食物を司る神様の豊受大神(とようけおおかみ)です。
五穀豊穣や衣食住に関わる諸産業の繁栄などが主なご利益になりますが、実際にはあらゆる願い事を守り育ててくれるご利益があります。
豊受大神は天照大神(あまてらすおおかみ)の御饌(みけ)を調達する神様なので、他の神々を守り育てる存在です。
御饌(みけ)とは
神様にお供えする食べ物
また、五穀豊穣の御神徳からもわかるように豊受大神は稲穂を実らせる水の神様でもあります。
春に天の真名井の水(あめのまないのみず)で満たされた田んぼに植えた早苗は、夏に太陽の光を浴びて大きく育ち、秋には黄金色の稲穂を実らせ、私たちはそれを豊かに受け取ることができます。
他の神々、そして生命を守り育てる水のエネルギーで、私たちの願い事も豊かに守り育ててくれます。
特に真名井神社は神代(かみよ / じんだい)より大切にされてきた「天の真名井の水」を頂くことができる大変貴重な神社です。
神代(かみよ / じんだい)とは
神々が支配していた時代のこと。世界が生まれてから神武天皇が即位するまでの時代のことを指す。神武天皇が即位したのは紀元前660年とされている。
現実世界で手にすることができる「天の真名井の水」も頂くことで、豊受大神のご利益を抜群に頂くことができるでしょう。
真名井神社で必ず手にしたい授与品
籠神社(このじんじゃ)の奥宮真名井神社で必ず手にしたいのは御霊水「天の真名井の水(あめのまないのみず)」です。
天の真名井とは
天の真名井は清浄な水に付けられる最大級の敬称
天の真名井の水は授与品ではなく無料で汲むことができるので、参拝する際には必ず頂くことをおすすめします。
使い方としては、「そのまま飲む」「お風呂に入れる」がおすすめです。
そのまま飲めば自身を清めることができますし、お風呂におちょこ一杯分ほど天の真名井の水を入れてから入浴すると禊の効果があります。(罪や穢れを落とし清らかになる)
また、天の真名井の水は古来より護符を書くための水としても使われてきました。(天の真名井の水で墨を磨る)護符を書いたりする方は天の真名井の水を使って護符を作ってみてください。
天の真名井の水は近隣の方が飲料水や生活用水(お風呂など)として定期的に汲みに来るのはもちろんのこと、遠方からも多くの方が汲みに訪れる神聖な水です。行った際にはぜひ手にしてきてください。
なお、社伝によるとこの水は籠神社海部家三代目の天村雲命(あめのむらくものみこと)が神々が使われる「天の眞名井の水」を黄金の鉢に入れ、天上より持ち降った御神水と伝わっています。
この水は籠神社海部家三代目の天村雲命が神々が使われる「天の眞名井の水」を黄金の鉢に入れ、天上より持ち降った御神水です。天村雲命はその水を初めに日向の高千穂の井戸に遷し、次に当社奥宮の眞名井原の地にある井戸に遷しました。その後、倭姫命によって伊勢神宮外宮にある上御井神社の井戸に遷されたと伝えられています。出典 籠神社
真名井神社ならではの魅力
元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)の奥宮真名井神社では約2,500年前からそのままの形で祀られている古代の祭祀場を見ることができます。
まだ神様を祀る神社がない時代、古代の人々は巨木や巨石、島や川などの自然に神々が籠もると考え、それらを崇拝していました。
真名井神社ではその磐座(いわくら)がそのままの形で残っている他に類を見ない聖域です。
ちなみに、真名井神社の境内地からは縄文時代の石斧や掻器(そうき)、弥生時代の祭祀土器破片や勾玉などが出土しています。
掻器(そうき)とは
物質を削ったり、こそげとるへら状の器具のこと
真名井神社とは
京都府宮津市にある真名井神社は、神代(かみよ / じんだい)より豊受大神(とようけおおかみ)を祀っていた神社です。
*境内の撮影はNGなので籠神社(このじんじゃ)公式サイトの写真を引用しています。
真名井神社の御祭神
真名井神社の磐座(いわくら)主座の御祭神はこちらです。
出典 籠神社
- 豊受大神(とようけおおかみ)
- 相殿…罔象女命(みづはのめのみこと)
- 相殿…彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
- 相殿…神代五代神(かみよいつつよのかみ)
相殿(あいどの)とは
同じ社殿に二柱以上の神様を祀ること
磐座(いわくら)西座の御祭神はこちらです。
出典 籠神社
- 天照大神(あまてらすおおかみ)
- 伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)
- 伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)
豊受大神(とようけおおかみ)とは
真名井神社の磐座主座の御祭神「豊受大神(とようけおおかみ)」は食物を司る神様で、天照大神(あまてらすおおかみ)の御饌(みけ)を調達する御食津神(みけつかみ)として知られています。
豊受大神を祀る代表的な神社は伊勢神宮外宮(豊受大神宮)です。
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伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)が火の神「火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)」を生み、陰部を焼かれて苦しんでいる時に漏らした尿(ゆまり)から生まれた和久産巣日神(わくむすびのかみ)の御子神。豊受大神のまたの御名を保食大神(うけもちのおおかみ)、または稲荷大神(いなりのおおかみ)と言う。
社伝によると豊受大神は天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)や国常立尊(くにのとこたちのみこと)と同神であると伝えられています。
中世の伊勢神道でも豊受大神は天御中主神や国常立尊と同一視され、月神の面を持ち、真名井の水に関わり水徳があることから、宇宙の根源的な神様であると言われていました。
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天御中主神は世界の始まり時に最初に現れた神様で宇宙の根源神。国常立尊は国土を形成した神様。
罔象女命(みづはのめのみこと)とは
罔象女命(みづはのめのみこと)は水の神様です。
和久産巣日神(わくむすびのかみ)と共に伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)の尿から生まれた罔象女命は肥料の神様でもあります。
また、紙漉(かみすき)の方法を罔象女命から教わったことから、紙漉の元祖とも言われています。
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福井県今立町の大滝神社の摂社岡田神社の社伝に、乙女の姿の神様が現れて紙漉の方法を教えたとある。その神様の名前が罔象女命だった。この技術で作るようになった和紙が後に越前和紙として知られるようになった。
彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)とは
天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)の間に生まれた神様です。
神武天皇(初代天皇)の祖父で、山幸彦(やまさちひこ)として広く知られています。
山幸彦(やまさちひこ)と海幸彦(うみさちひこ)とは
兄の海幸彦は海の漁が得意で、弟の山幸彦は山の猟が得意だった。ある日弟の山幸彦が兄の海幸彦を説得してお互いの道具を交換するが、山幸彦は兄の釣針を海に落としてなくしてしまう。海幸彦に怒られて困っていると塩椎神(しおつちのかみ)が現れて綿津見神宮(わたつみのかみのみや)に行くことをすすめられる。海神(大綿津見神)に歓迎されて娘の豊玉姫(とよたまひめ)と結婚し、楽しく暮らしているうちに3年が経ち、山幸彦は帰ることにする。タイが飲み込んでいた釣針と海神から教わった呪文、潮満珠(しおみつたま)と汐干珠(しおひるたま)を持って地上に戻った。その後、兄の海幸彦を授かった玉でこらしめて忠誠を誓わせた。
神代五代神(かみよいつつよのかみ)とは
神代五代神(かみよいつつよのかみ)とは、古事記神代の巻で最初に出てくる神様のことですが、真名井神社の相殿に祀られている神様の詳細は不明です。
ちなみに、世界の始まりの時に出現する五柱の神様はこちらです。
- 天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)…宇宙の根源神
- 高御産巣日神(たかみむすびのかみ)…天上界を創造した神
- 神産巣日神(たかみむすびのかみ)…地上界を創造した神
- 宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)…生命力を象徴する神
- 天之常立神(あめのとこたちのかみ)…天上界の守り神
この五柱を別天津神(ことあまつかみ)と言います。
天照大神(あまてらすおおかみ)とは
天照大神(あまてらすおおかみ)は高天原(天上界)に住み、八百万の神々を統治する太陽神の女神です。
皇室の祖神にあたる神様で、日本の総氏神として崇拝されています。特に有名なのは伊勢神宮内宮(皇大神宮)です。
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伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)が黄泉の国から逃げ帰り、穢れを洗い清めるために禊を行った。左目を洗った時に光と共に天照大神が生まれ、右目からは月読命(つくよみのみこと)、鼻からは建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)が生まれた。
伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)とは
伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)は神代七世の最後に伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)と共に出現した男の神様で、高天原(たかまがはら)から淤能碁呂島(おのごろじま)に天降って国生みを行い、その後神々を生んだ神様です。
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高天原の神々の命令で天浮橋(あめのうきはし)に立ち、伊射奈美大神と協力して天沼矛(あめのぬぼこ)で海をかきまわし、淤能碁呂島を作った。その島に降り立って伊射奈美大神と結婚し、日本列島となる様々な島を生み出した。神生みでは石・海・水・山・木・野・風・火・穀物など様々な神を生み出し、地上の神々の世界を創った。
伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)とは
伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)は伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)と共に国生み・神生みをした神様です。
また、伊射奈美大神は神様でありながら最初に死を体験した神でもあります。それによって死の世界が始まりました。
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伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)は様々な神を生み出すが、火の神「火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)」を生んだために亡くなり、黄泉の国に去ってしまう。伊射奈岐大神は妻を追って黄泉の国に会いにいくが、妻の腐敗した姿(死体)を見て逃げ出してしまう。激怒した伊射奈美大神は逃げる夫を追いかけるが、現世とあの世の境界線にある黄泉比良坂(よもつひらさか)で伊射奈岐大神が巨大な岩で道を塞いだ。伊射奈美大神は「あなたの住む国の人々を1日に1000人殺すことにする」と言い放ち、伊射奈岐大神は「私は1日に1500の産屋を建てよう」と返した。これによって2人は離縁した。
真名井神社の歴史
社伝によると、神代と呼ばれるはるか昔から奥宮真名井原(現在の奥宮真名井神社)に豊受大神(とようけおおかみ)を祀ってきたとあります。
崇神天皇の御代(紀元前59年)に天照大神が大和国笠縫邑(かさぬいむら)からお遷りになり、吉佐宮(よさのみや)という宮号で4年間一緒に祀り、天照大神は11代垂任天皇の御代に、豊受大神は21代雄略天皇の御代に伊勢にお遷りになります。
それにより籠神社(このじんじゃ)は伊勢神宮内宮の元宮、外宮の元宮という意味で元伊勢と呼ばれています。
両大神が伊勢にお遷りになった後、養老3年(719年)に奥宮真名井神社から今の籠神社の地に本宮を遷し、社名を吉佐宮から籠宮(このみや)と改めたとなっています。
これが真名井神社が籠神社の奥宮と呼ばれる理由です。
真名井神社のおすすめの順路と参拝方法
真名井神社のおすすめの順路と参拝方法をご紹介します。
まずは元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)で参拝してから真名井神社に歩いて行くのがおすすめです。(真名井神社までは徒歩10分)
籠神社には駐車場もあるので車で行く場合でも安心です。(駐車場は午前7時から利用可・最初の30分無料・1日/700円)
籠神社の境内図もあわせてチェックしてみてください。
なお、籠神社と真名井神社は境内撮影NGです。撮影できる箇所は撮影した写真を、撮影できない箇所は籠神社公式サイトの写真を引用しています。
①籠神社の鳥居をくぐって手水舎で身を清める
↑この鳥居をくぐって進むと左手に手水舎があるので身を清めます。
ちなみに手水舎の反対側には大和さざれ石があります。
②本殿で参拝
手水舎から進むと二の鳥居があり、その奥に本殿があるので参拝します。主祭神は彦火明命(ひこほあかりのみこと)です。
彦火明命(ひこほあかりのみこと)とは
天照大神(あまてらすおおかみ)の孫で、天孫天孫邇邇藝命(ににぎのみこと)の兄弟神。籠神社の宮司の家系である海部氏(かいふし)の祖神。別称は天照国照彦火明命(あまてるくにてるひこほあかりのみこと)。
相殿はこちらの神々です。
- 豊受大神(とようけおおかみ)…食物を司る神
- 天照大神(あまてらすおおかみ)…太陽神の女神
- 海神(わたつみのかみ)…海の神
- 天水分神(あめのみくまりのかみ)…水の神
本殿は伊勢神宮と同様の神明造り(日本最古の神社建築様式)で五色(青、黄、赤、白、黒)の座玉(すえたま)を見ることができます。
伊勢神宮御正殿と籠神社以外で拝見することはできないので大変貴重なものとなっています。
本殿は伊勢神宮と同様の神明造りで、勝男木は十本、千木は内そぎになっています。
心御柱や棟持柱があり、特に高欄上の五色(青、黄、赤、白、黒)の座玉(すえたま)は、伊勢神宮御正殿と当社以外には拝せられないもので、神社建築史上特に貴重なものとされています。
これは山陰道一之大社として、古来の御神徳・社格を象徴するものであります。
神明造りのお社は他にもありますが、規模・様式とも伊勢神宮御正殿の様式に近似しているお社は当社以外にはなく、伊勢神宮と当社が古代から深い繋がりにあったことを物語っています。出典 籠神社
ちなみに籠神社の二の鳥居をくぐった所の狛犬は鎌倉時代に作られたもので国の重要文化財に指定されています。こちらが阿像で
こちらが吽像です。
籠神社の狛犬はその昔作者の魂が宿り、天橋立に出て通行人を驚かしていたという説話があります。
そこで伝説的な剣豪の岩見重太郎(いわみじゅうたろう)が待ち伏せ、狛犬に一太刀浴びせたところ、社頭に戻り霊験あらたかになったそうです。
阿像の右前足にその刀傷がありますので、ぜひチェックしてみてください。
社頭の狛犬は鎌倉時代の名作として、重要文化財に指定されている。
この狛犬はその昔、作者の魂が籠もり天橋立に暴れ出て通行人を驚かせていた。そこで仇討ちのために当地を訪れていた豪傑岩見重太郎が一夜待ち伏せ、剛刀で狛犬の脚に一太刀浴びせたところ、それ以来社頭に還り魔除けの狛犬として霊験あらたかになったという説話が残されている。
その刀傷が、阿形の狛犬の右前脚に今も残っている。出典 籠神社
③天照大神和魂社で参拝
本殿の左手にある天照大神和魂社(あまてらすおおかみにぎみたましゃ)で参拝します。御祭神は天照大神和魂です。
和魂(にぎみたま)とは
神様の平和的な側面のこと。優しさ、穏やかさ、和やかさ、仁愛、謙遜など。
天照大神和魂社の御神徳はこちらです。
- 万物調和
- 地球浄化
- 霊格向上
- 子孫繁栄
④春日大明神社で参拝
天照大神和魂社の左手にある春日大明神社(かすがだいみょうじんしゃ)で参拝します。御祭神は春日神(かすがのかみ)です。
春日神は次の神様の総称で、
- 武甕槌命(たけみかづちのみこと)…武神・軍神・雷神・藤原氏の守護神
- 経津主命(ふつぬしのみこと)…剣神・軍神・藤原氏の守護神
- 天児屋根命(あめのこやねのみこと)…祝詞(のりと)・祭祀(さいし)を司る神・藤原氏の祖神
- 比売神(ひめがみ)…天児屋根命の妻
御神徳はこちらです。
- 電気関係守護
- 悪縁消滅
- 破邪顕正
⑤猿田彦神社で参拝
春日大明神社の左手にある猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)で参拝します。御祭神は道案内の神様である猿田彦大神(さるたひこおおかみ)で、御神徳はこちらです。
- 交通安全
- 建設守護
- 屋敷浄化
- 厄除長寿
⑥真名井稲荷神社で参拝
猿田彦神社の左手にある真名井稲荷神社(まないいなりじんじゃ)で参拝します。御祭神はこちらの神様で、
- 宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)…食物の神
- 保食大神(うけもちのおおかみ)…食物の神
- 豊宇気毘売大神(とようけびめのおおかみ)…食物の神
御神徳はこちらです。
- 産業繁栄
- 商売繁盛
- 厄除治病
- 世界平和
真名井稲荷神社は明治末期まで奥宮真名井神社に祀られていましたが、平成3年9月9日に本宮籠神社境内に移転再建されました。
ちなみに真名井稲荷神社の近くには海部宮司家四代目の祖である倭宿禰命像(やまとすくねのみことぞう)もあります。
⑦恵美須神社で参拝
本殿の右手にある恵美須神社(えびすじんじゃ)で参拝します。御祭神はこちらの神様で、
- 彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)…神武天皇の祖父・山幸彦
- 倭宿彌命(やまとすくねのみこと)…海部宮司家四代目の祖
御神徳はこちらです。
- 商売繁盛
- 大願成就
- 大漁満足
- 海上安全
大化以前の籠宮の元神であり、主祭神であったと伝わっています。
恵美須神社で参拝したら授与所で御朱印(本宮と両宮2種類あり)や授与品を頂きましょう。
籠神社には干支神楽焼守があり、十二支すべてが揃っています。自分の干支のお守りを持っていない方はぜひ頂くことをおすすめします。干支神楽焼守は1体500円でお受けできます。
出典 籠神社
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奥宮真名井神社に参拝した後にお受けできる桃守もおすすめです。
桃は古来から邪気祓いや魔除け、不老長寿の力があると親しまれている果物です。
もっと詳しく
古事記では黄泉の国で伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)が伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)の手から逃れる際、地上の国と黄泉の国の境にある黄泉比良坂(よもつひらさか)のふもとになっていた桃の実を3つ投げつけた。すると桃の霊力により追手の黄泉の軍勢は退散した。伊射奈岐大神はその功績を称え、「私を助けてくれたように、国の民が悩み苦しむ時には救ってくれ」と桃に意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)の名を与えた。
桃守は奥宮真名井神社に参拝後、初穂料500円で1人1体のみお受けできます。
籠神社の授与所には桃の木でできた桃剣があり、桃守をその桃剣にあてることでさらなる御神威を頂くことができます。桃守を頂いた後、桃剣にあてるのを忘れないようにしましょう。
⑧奥宮真名井神社へ向かう
恵美須神社の右手、もしくは奥宮真名井稲荷神社の左手から出て真名井神社に向かいます。もちろん籠神社の正面から出ても構いません。
こちらは恵美須神社の右手から出た時の風景です。
真名井神社まで400mとの看板があります。ここを右に曲がります。
看板の通りに道を進んで行くと、
真名井神社まで350mとの看板があります。まだまだ真っ直ぐ進みます。
進んで行くと左手に鳥居が見えるので、ここを左に曲がります。この鳥居から真名井神社までは200mです。
鳥居をくぐって真っ直ぐ進んで行きます。
真名井神社が見えてきました。
徒歩約10分で真名井神社に到着です。
参拝した時はちょうど工事中でした。左手にある石碑には次のように書かれています。
豊受大神元津宮ナリ
古名 匏宮(よさのみや)吉佐宮(よさのみや)与謝宮(よさのみや)
一云 天吉葛宮(あめのよさづらのみや)
一云 比沼真名井(ひぬまない)
一云 久志浜宮(くしはまのみや)
一云 元伊勢大元宮(もといせだいげんぐう)
現在は石碑の上部に刻まれているのは籠神社神紋である三つ巴紋になっていますが、当初は籠神社の裏神紋の籠目紋(六芒星)が刻まれていました。2013年あたりから三つ巴紋に変わっているようです。
ちなみにここから真名井神社の拝殿までは50mです。階段を登るだけなのですぐ着きます。
⑨手水舎で身を清めて波せき地蔵堂で参拝
真名井神社に着いたらまずは入って左手にある手水舎で身を清めます。
ここは手水の場所なので水汲みはできませんが、このすぐ奥にある真名井水神社で天の真名井の水を頂くことができます。拝殿で参拝した後に立ち寄りましょう。
身を清めたら手水舎の左にある波せき地蔵堂でご挨拶します。
大宝元年3月26日(西暦701年)に発生した大宝地震の際、大津波が押し寄せたのをここで切り返したと伝わっている霊験あらたかなお地蔵さんです。真名井の神へのお取次もされています。
➉拝殿で参拝
拝殿で参拝します。この鳥居をくぐって階段を登ったら拝殿があります。この先から写真撮影は禁止です。
ちなみに真名井神社の狛犬は犬ではなく龍です。こちらが口を開けている阿像で、
こちらが口を閉じている吽像です。それぞれ左手に金の玉を、右手に銀の玉を持っています。
近くには古代の丹後について書かれた真名井原縁起(まないはらえんぎ)もあります。
ちなみに、拝殿の裏には磐座(いわくら)があり、右側が豊受大神(とようけおおかみ)、左側が天照大神(あまてらすおおかみ)・伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)・伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)の磐座です。
今は柵があって奥に行くことはできませんが、以前は磐座の近くまで行くことができました。社殿の左側から見るとわかりやすいです。
横から見ると船のように見えることから天磐船(あまのいわふね)と呼ばれています。古来の神様の乗り物です。
また、伊射奈岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊射奈美大神(いざなみのおおかみ)が仲良く揃ってお鎮まりになっていることから鶺鴒石(せきれいいし)とも呼ばれています。
社殿の右側からは磐座奥座を遠目に見ることができます。磐座奥座も昔は近くまで行くことができましたが、現在は行くことができません。
磐座奥座の御祭神はこちらです。
- 盬土老翁(しおつちのおじ)…海の神。山幸彦が海幸彦の釣針を無くして困っている時に現れた神。社伝によると大綿津見神(おおわたつみのかみ)・豊受大神・住吉神と同神
- 宇迦之御魂(うかのみたま)…稲荷大神(いなりおおかみ)
- 熊野大神(くまのおおかみ)…須佐之男神(すさのおのかみ)
- 愛宕神(あたごしん)…社伝によると稚産霊神(わくむすびのかみ)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)・埴山姫命(はにやまひめのみこと)・天熊人命(あめのくまひとのみこと)・豊受姫命(とようけひめのみこと)・雷神(らいじん)・迦遇槌命(かぐつちのみこと)と同神
- 道祖神…猿田彦大神(さるたひこおおかみ)
境内右手には天照大神の荒魂の産湯である産盥(うぶだらい)もあります。水を溜められる窪みがある巨石です。
昔の真名井神社の境内は古代を感じさせる雰囲気でしたが、現在はかなりキレイになっています。
拝殿の右手には授与所もできていました。私が行った時には閉まっていましたが月に2日(土日祝日)開設予定とのことです。
真名井神社の授与所は開設日は行事カレンダーで確認できるので事前に確認してみてください。神力守や真名井龍神守、大桃守など真名井神社の授与所限定の授与品も数多くあります。
⑪真名井水神社で天の真名井の水を頂く
拝殿から戻って階段を降り、手水舎の右手にある真名井水神社で天の真名井の水を頂きます。(真名井神社の入り口からみた時は左手にあります)
蛇口をひねると天の真名井の水が出てくるようになっています。
私は空の500mlのペットボトルを持って行って天の真名井の水を頂きました。お水を頂いたら真名井神社の参拝は完了です。
続きまして、お時間が許す方は「天橋立ケーブルカー・リフト」に乗り、天橋立股のぞきができる天橋立傘松公園内にある「元伊勢籠神社の海の奥宮 冠島沓島遥拝所(かんむりじまくつじまようはいじょ)」に向かいます。お時間がない方はここまでで大丈夫です。
遥拝所とは
遠く離れた所から神仏などを拝むための場所
⑫府中駅に向かう
来た道を戻って天橋立ケーブルカー・リフトに乗ることができる府中駅に向かいます。
府中駅は籠神社から徒歩で約2分なので、真名井神社からは約12分で着きます。籠神社の近くに案内があるので場所はすぐにわかります。
なお、桃守を頂きたい方は籠神社に寄ってから府中駅に向かうようにしてください。
桃守とは
奥宮真名井神社に参拝した後にお受けできる特別なお守り。初穂料500円。1人1体のみお受けできる。
⑬天橋立ケーブルカー・リフトに乗って傘松公園へ
府中駅に着いたらチケットを買います。傘松公園までの金額はこちらです。
往復 | ケーブルカー・リフト |
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大人 | 680円 |
中・高校生 | 680円 |
小児(6-11才) | 340円 |
幼児 | 大人1人につき2人無料 |
障害者割引(手帳提示) | 本人と介護者1人 運賃の5割引 |
ケーブルカーは約4分、リフトは約6分で天橋立傘松公園に到着します。天気が良い日は開放的な気分を味わえるリフトがおすすめです。
ちなみに、府中駅では成相寺(なりあいじ)に行くバスや、天橋立観光船がセットになったチケットなども買うことができます。
府中駅の前には傘松公園のマップもあります。
⑭元伊勢籠神社の海の奥宮 冠島沓島遥拝所で参拝
傘松公園に着いたら冠島沓島遥拝所(かんむりじまくつじまようはいじょ)で参拝します。広い公園ではないので場所はすぐにわかります。
冠島沓島遥拝所は元伊勢籠神社の海の奥宮である「冠島(かんむりじま)と沓島(くつじま)」の2つの島を拝む場所です。鳥居の先に冠島沓島が浮かんでいます。
冠島沓島は籠神社の御祭神の彦火明命(ひこほあかりのみこと)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が天降り、夫婦になった神聖な島で、はるかな昔から神が宿る島として信仰を集めています。
冠島沓島遥拝所の御神徳はこちらです。
- 縁結び
- 夫婦円満
- 家内安全
- 事業繁栄
- 技術学問向上
- 航海安全
- 貿易交渉
- 財運
もっと詳しく
彦火明命は豊受大神を祀り、丹後丹波から開拓。市杵島姫命は航海安全を祈り、両神とも国の発展に貢献した。
室町時代の水墨画家である雪舟の天橋立図(国宝)には、本来この構図に入らない冠島沓島が絵の右下に描かれています。出典 京都国立博物館
右下部分の拡大図はこちらです。冠島沓島と書かれた島があります。
これは冠島沓島が住民から崇敬され、神が宿る特別な島だということを雪舟が知っていたからだと考えられています。
この日は雲がかかっていて冠島沓島が見えませんでしたが、天気が良い日はこの案内↑にある写真のように冠島沓島を望むことができます。
冠島沓島遥拝所で参拝したら全て完了です。
なお、傘松公園では股のぞきをすることができたり、
開運のかわらけ投げ(3枚セット200円)、
少し階段を登ったところにある「股のぞき発祥の地」と言われる場所などがあります。
お時間がある方はぜひ散策してみてください。
真名井神社のアクセスマップ
■真名井神社
【住所】京都府宮津市字中野
【アクセス】籠神社から徒歩約10分
■籠神社
【住所】京都府宮津市字大垣430
【アクセス】WILLER TRAINS宮津線 天橋立駅から徒歩約60分。レンタサイクル(自転車)だと約20分(天橋立を通るルート)
・天橋立駅から観光船を利用する場合は約15分(一の宮桟橋駅下船)
・天橋立駅から路線バスを利用する場合は約45分(元伊勢籠神社前下車)
【駐車場】午前7時から利用可・最初の30分無料・1日/700円
籠神社周辺にも民間駐車場多数あり・料金は1日/700円
まとめ
真名井神社は日本最古の聖域です。気を引き締めて参拝しましょう。