商売発達なら大阪にある住吉大社の「初辰(はったつ)まいり」が最強です。
初辰まいりは毎月最初の辰の日に「種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社」の四社にお参りする住吉大社独特の参拝方法で、特に商売発達と家内安全に絶大なご利益があります。
住吉大社にはお金などの現世ご利益をもたらして安定させてくれる「数秘術の4」と「四角形のエネルギー」のマジックが様々なところに仕掛けられていますが、初辰まいりにはそれとは別に
- 心願成就に必要な「五行の木火土金水(もくかどごんすい)」すべての力
- 富の象徴である木星のエネルギー
これらのプラスエネルギーも受け取ることができるように様々な仕掛けが隠されています。
この記事では、住吉大社の初辰まいりの詳細やご利益、初辰まいりならではの魅力、初辰まいりに隠された仕掛け、おすすめの順路と参拝方法などをまとめました。
住吉大社の御祭神 住吉大神は現世ご利益に対して本当に力のある神様です。
ただでさえ現世ご利益最強の金運波動を頂ける神社になりますが、初辰まいりも行ったらお金も商売の成功も約束されるようなものです。
ぜひ一度、成功者が続出している住吉大社の初辰まいりに訪れてみてください。
なお、住吉大社についてはこちらで詳しくお伝えしています。
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*授与品の金額はお受けした当時の金額です。 |
初辰まいりとは
初辰まいりに隠された仕掛けをお伝えする前に、まずは初辰まいりの詳細から見ていきましょう。
初辰まいりは毎月最初の辰の日に住吉大社の「種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社」の四社にお参りする参拝方法です。(初辰日が正月やGWなど大型連休と重なる時は二の辰の日になる場合もあり)
初辰まいりでは「種貸社(たねかししゃ)→楠珺社(なんくんしゃ)→浅澤社(あさざわしゃ)→大歳社(おおとししゃ)」の順で参拝し、商売や家庭の発達繁栄を祈ります。
- 種貸社…願いの種を頂き資本充実を祈願する
- 楠珺社…願いの発達を祈る
- 浅澤社…芸事や美容の願いの福を頂く
- 大歳社…集金・収穫・収益・諸願成就のご利益を頂く
商売発達と家内安全に抜群のご利益があり、4年を一区切りとして48回(48ヶ月)続けると満願成就です。
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4年を一区切りとしているのは「四十八辰(しじゅうはったつ)=始終発達」の意味が由来。毎月の初辰まいりを4年も続けられること自体が成功している証拠であり、無事に発達していることになる。
忙しい方や遠方にお住まいの方は4年も続けるのは難しいと思いますが、1回初辰まいりに行くだけでも絶大なご利益を頂ける構造になっています。
人生で一度だけでも良いので、時間がある時にぜひ初辰まいりに訪れてみてください。
2022年(令和4年)の初辰まいりの日はこちらです。
1月15日(土) | 2月8日(火) | 3月4日(金) |
4月9日(土) | 5月3日(火) | 6月8日(水) |
7月2日(土) | 8月7日(日) | 9月12日(月) |
10月6日(木) | 11月11日(金) | 12月5日(月) |
2023年(令和5年)の初辰まいりの日はこちらです。
1月22日(日) | 2月3日(金) | 3月11日(土) |
4月4日(火) | 5月10日(水) | 6月3日(土) |
7月9日(日) | 8月2日(水) | 9月7日(木) |
10月1日(日) | 11月6日(日) | 12月12日(火) |
①初辰まいりの多大なご利益
初辰まいりでは次の順番でご利益を受け取っていきます。
- 種貸社…資金調達・子宝・智恵
- 楠珺社…商売発達・家内安全
- 浅澤社…美容・芸能上達・機転・愛想・女性守護
- 大歳社…集金満足・諸願成就
②初辰日限定|一粒万倍みのりまいり
みのりまいりは初辰まいりの日限定で行われている「一粒万倍(いちりゅうまんばい)のご利益」を頂くお参り方法です。
みのりまいりをすると、一粒の籾種から苗が育ち、豊かな稲穂が実って御神米が収穫されるように、あなたの願い事も豊かに実らせてくれます。
一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは
一粒の籾種(もみだね)が万倍もの稲穂となって大量の収穫を得ることを意味し、わずかな資金から多くの利益が出ることを表す。
初辰まいりに来るほとんどの方は、この「みのりまいり」をしながら種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社の四社を参拝しています。
「みのりまいり」のやり方は簡単です。
まず初辰まいりで1番目にお参りする種貸社で籾種を頂き、2番目にお参りする楠珺社で籾種を稲穂に交換します。
そして最後4番目にお参りする大歳社で稲穂を一粒万倍の御神米(ごしんまい)と交換したら、みのりまいりの完了です。(3番目にお参りする浅澤社での交換は無し)
簡単に言えば、わらしべ長者のように交換していく流れになっています。
出典 住吉大社
最後に頂く御神米は住吉大社の御田(おんだ)で収穫されたお米になります。
初辰日もしくは一粒万倍日にご飯に混ぜて食べると一粒万倍のご利益があります。
一粒万倍日とは
毎月5回ほどある吉日。仕事始め、開店、出資、宝くじの購入、種まきなど何を始めるのにも良い日とされる。
なお、初辰まいりが初めての時は、最初にお参りする種貸社で初穂料1,100円を納めてご祈祷を受けて籾種を頂くか、ご祈祷を受けずに初穂料800円を納めて籾種を頂きます。
ご祈祷を受けて籾種を頂く場合 | 初穂料1,100円 |
ご祈祷を受けずに籾種を頂く場合 | 初穂料800円 |
ご祈祷を受けた場合は稲種引換券を頂けるので、次回以降の初辰まいりでは種貸社でご祈祷を受けなくても稲種引換券で籾種と交換できます。
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稲種引換券は種貸社だけでなく、楠珺社、大歳社のいずれかでご祈祷を受けると頂ける。
次回以降の初辰まいりでもご祈祷を受けない場合は、毎回初穂料800円を納めて籾種を頂く形になります。
③初辰まいり四社の御祭神
初辰まいりでお参りする種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社の御祭神をご紹介します。
種貸社の御祭神
種貸社の御祭神は稲に宿る神秘的な精霊を神格化した神である倉稲魂命(うがのみたまのみこと)です。稲荷神として信仰されていて、資金調達・子宝安産のご利益があります。
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古事記では須佐之男命(すさのおのみこと)と神大市比売命(かむおおいちひめのみこと)の間に生まれた御子とされている。
倉稲魂命は元種(願いの種)を授ける神様なので子宝祈願に訪れる方も多く、種貸社の裏手には子供を授かった方が奉納した種貸人形(たねかしにんぎょう)がたくさんあります。
楠珺社の御祭神
楠珺社の御祭神は稲荷神の宇迦魂命 (うがのみたまのみこと)です。
商売発達・家内安全のご利益があり、初辰まいりの日は非常に多くの方で賑わっています。
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古事記では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、日本書紀では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と表記する。
樹齢1,000年を超える楠が御神木です。御神木は四方から拝むことができるようになっていて、正面以外の鳥居の近くには稲荷神の使いである狐の像があります。
浅澤社の御祭神
浅澤社の御祭神は七福神の弁財天としても有名な市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)です。美容芸能・心願成就のご利益があります。
住吉大社では女性の守護神として知られていて、女性が住吉大社に参拝する時は必ず浅澤社にお参りをする習わしが昔からあるそうです。
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別称は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)、市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、狭依毘売命(さよりひめのみこと)。天照大御神(あまてらすおおみかみ)と須佐之男命(すさのおのみこと)が高天原で誓約(うけい)をした時、天照大御神が須佐之男命の十拳剣(とつかのつるぎ)を噛み砕いて吹き出した霧から生まれた神様。(誓約とは古代日本で行われた神聖な占い)この時、湍津姫命(たぎつひめのみこと)と田心姫命(たぎりひめのみこと)も生まれ、この三柱を三女神(宗像三女神)と言う。市杵島姫命を祀る神社は多いが、特に有名なのは福岡の宗像大社や広島の厳島神社。
大歳社の御祭神
大歳社の御祭神は豊作の守護神である大歳神(おおとしのかみ)です。集金満足・商売繁盛・心願成就のご利益があります。
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大歳神は年の変わり目にやってくる来訪神で、家に大歳神がやってくるとその家は繁栄する。お正月に飾る門松や鏡餅などのお供物や多くのお正月の行事はもともと大歳神を迎えるためのものになる。歳徳神(としとくじん)やお正月様、恵方神、年神とも呼ばれる。
歳徳神は方位学にも取り入れられていて、一年中の方徳を司る神である歳徳神がいる方角を恵方と言う。
初辰まいりならではの魅力
住吉大社の初辰まいりの魅力は2つあります。
①招福猫集め
楠珺社の授与所で頂ける初辰まいり限定の授与品「招福猫(通称 小猫)」を毎月1体ずつ頂いて48ヶ月で48体集め、楠珺社に持っていくと中猫1体と交換することができます。(初穂料1体500円)
- 小猫を48体集める(4年)
- 48体の小猫を楠珺社に持っていく
- 中猫1体と交換
人を招く左手を挙げた中猫と交換するか、お金を招く右手を挙げた中猫と交換するかは好きな方を選べます。現在中猫は交換しないと手に入らないので貴重です。
こちら↓が中猫です。大きさは高さ約13cm、横幅約12cm、奥行き約9cmあります。(小猫の大きさは高さ約3.5cm、横幅約3cm、奥行き約2.5cm)
さらに4年かけて48体の小猫を集めるともう片方の中猫と交換できるので、8年間で両方の中猫が揃います。
そしてさらに、合計12年かけて中猫2体と小猫48体を集めると大猫1体と交換できます。大猫も交換しないと手に入らないので中猫よりもっと貴重です。
私は中猫2体なのでまだ大猫まで到達していませんが、大猫を手にしたらその写真も掲載したいと思います。
話を戻しまして、2種類の大猫を揃えたら晴れて本当の意味での満願です。
年数 | 詳細 |
4年 | 小猫48体で中猫1体と交換 |
12年 | 中猫2体と小猫48体で大猫1体と交換 |
24年 | 左手大猫と右手大猫を揃えて満願 |
大猫を両方揃えるには合計24年かかりますが、24年も続けられたこと自体が大成功している証です。
みなさん2体の大猫を目指していますので、初辰まいりを続ける際はぜひあなたも目指してみてください。
②大歳守集め
大歳守(おおとしまもり)は初辰まいりの日に大歳社でご祈祷を受けると頂けるお守りです。集金のご利益がある小石に「大」と書かれています。
楠珺社の小猫と同じように大歳守を4年かけて48体集めると、こちら↓の満願守に交換できます。
- 大歳守を48体集める(4年)
- 48体の大歳守を大歳社に持っていく
- 満願守と交換(ご祈祷後に頂ける)
小猫は楠珺社でご祈祷を受けなくても初穂料500円(楠珺社の授与所)で頂くことができますが、大歳守を頂くには大歳社で必ずご祈祷を受ける必要があります。
満願守も将来手にしたい方は大歳社の大歳守もぜひ集めてみてください。
初辰まいりに隠された仕掛け
初辰まいりは順番通りにお参りすると五行(木火土金水)の力を身につけ、富の象徴である木星のエネルギーを得られるようになっています。
①五行(木火土金水)のエネルギー
初辰まいりでは種貸社と楠珺社をお参りすることで、心願成就に必要な「五行の木火土金水(もくかどごんすい)」すべての力を、お互いに助け合って促進させる相生(そうしょう)関係の順番で受け取ることができます。(種貸社は1番目、楠珺社は2番目にお参りするお社)
五行とは
万物は木火土金水の五大要素から成り立っていて、互いに影響しあっている。お互いを助け合う良い関係を相生、お互いを打ち滅ぼす悪い関係を相克(そうこく)という。紀元前の古代中国で生まれた思想。
五行のエネルギーをわかりやすく表にしたものはこちら↓です。
種貸社で木と水、楠珺社で火と金のエネルギーを受け取り、土はお参りしている自分自身になります。方位・四神・季節・惑星はそれぞれの五行に対応するものを記載しています。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
場所 | 種貸社 | 楠珺社 | 自分 | 楠珺社 | 種貸社 |
方位 | 東 | 南 | 中央 | 西 | 北 |
四神 | 青龍 | 朱雀 | 人 | 白虎 | 玄武 |
季節 | 春 | 夏 | 土用 | 秋 | 冬 |
惑星 | 木星 | 火星 | 土星 | 金星 | 水星 |
初辰まいりの種貸社と楠珺社では五行のエネルギーを「水→木→火→土→金」の順で受け取っていきます。詳しく見ていきましょう。
⑴水のエネルギー
初辰まいりで1番目にお参りする種貸社では、まず五行の水のエネルギーを受け取る仕掛けになっています。
五行 | 水 | 生命の源のエネルギー。 |
方位 | 北 | 種貸社は住吉大社の北側に位置する。社殿は南向きで私たちは北の方位を拝む形になる。 |
四神 | 玄武 | 亀に蛇が巻き付いた姿をしている霊獣。亀は長寿、蛇は繁栄の象徴であることから長寿と繁栄の手助けをする。 |
季節 | 冬 | 種をまく準備をする冬。水が枯渇している場所に種をまいても発芽しない。死から生へと移り変わる時。 |
惑星 | 水星 | 智恵を司る。 |
注目して頂きたいのは五行の水に対応する惑星の水星です。
水星は智恵を司る惑星になり、種貸社の授与品には願い事を叶えるための智恵を授ける「智恵の種」があります。
水星のお力添えをより一層頂くためにも必ず手にすることをおすすめします。(初穂料300円)
すでに持っている方は新たに頂かなくて大丈夫です。
⑵木のエネルギー
種貸社で籾種を頂き、楠珺社に向かうことで木のエネルギーも受け取ります。籾種は種まきの季節、春の象徴です。
五行 | 木 | 万物を生成発展させる始まりのエネルギー。 |
方位 | 東 | 種貸社で籾種を受け取った後、北にある種貸社から東→南の順で歩いて楠珺社へ行くようになっている。 |
四神 | 青龍 | 成長・発展・財運・立身出世・可能性の手助けをする。 |
季節 | 春 | 立派な大木へと成長することを願って種をまく。籾種が春の象徴。 |
惑星 | 木星 | 富や成長を司る。 |
成長を司る五行の木のエネルギーは願い事の種を発芽させて育ててくれます。
⑶火のエネルギー
初辰まいりで2番目にお参りする楠珺社では五行の火のエネルギーを受け取ります。
樹齢1,000年を超える楠(くすのき)の御神木が象徴です。楠という漢字は「南方の木」を意味します。
五行 | 火 | 万物を繁栄させるエネルギー。 |
方位 | 南 | 楠珺社は種貸社から南の方向にある。社殿は北向きで私たちは南の方位を拝む形になる。 |
四神 | 朱雀 | 幸福・繁栄・再起・人気の手助けをする。 |
季節 | 夏 | 輝く夏の太陽の力で樹木が育ち、たくさんの葉を茂らせる。 |
惑星 | 火星 | 生命の活力を司る。 |
繁栄を司る火のエネルギーは願い事の木を大木へと育ててくれます。
⑷土のエネルギー
願い事の大木を支える人の自分は五行の土のエネルギーです。楠珺社で火のエネルギーを受け取ることによって土である自分が活性化します。
五行 | 土 | 万物を育成して守る母なる大地のエネルギー。 |
方位 | 中央 | 中央にいる自分が願い事の木の土台となる。 |
四神 | 人 | 願い事を維持して形成する。願望実現が近づくにつれて心も体も豊かになる。 |
季節 | 土用 | 季節の変わり目。 |
惑星 | 土星 | 安定を司る。 |
繁栄した願い事の木を安定させ、いよいよ果実を受け取る準備をします。
なお、方位の中央とは文字通り中央のことです。東西南北で見た時に土は中央に位置します。
⑸金のエネルギー
楠珺社で交換した稲穂を持ち、浅澤社に向かうことで五行の金のエネルギーを受け取ります。
五行 | 金 | お金・収穫・結果をもたらすエネルギー。 |
方位 | 西 | 楠珺社から少し西に歩いてから浅澤社に向かうようになっている。御神木の楠を左横から拝むと、正面を西にして拝むことになるのでさらに良い。 |
四神 | 白虎 | 白虎は金運・商売繁盛の手助けをする。 |
季節 | 秋 | 果実を収穫する実りの秋。黄金色の稲穂が秋の象徴。 |
惑星 | 金星 | お金・栄光・美・愛を司る。 |
楠珺社の授与所には白い招福猫(通称 小猫)がありますが、この招福猫は金運をもたらす白虎です。
果実が実るように願い事を招いてくれるので、初辰まいりに行った時は招福猫を必ず1体頂きましょう。(初穂料1体500円)
②木星のエネルギー
初辰まいりでは種貸社と楠珺社で五行の力を身につけた後、浅澤社で自らが空を飛翔する龍(天龍)へと変わり、大歳社で富の象徴である木星のエネルギーを受け取ります。(浅澤社は3番目、大歳社は最後4番目にお参りするお社)
浅澤社 | 自らが空を飛翔する龍(天龍)へと変わる。 |
大歳社 | 富の象徴である木星のエネルギーを受け取る。 |
初辰の辰は干支の辰で「竜・龍」に繋がります。一般的に竜と龍は同じ生き物のように混同されることが多いですが別物です。
簡単に言えば、地上(土)に属するのが竜、天空を飛翔するのが龍になります。
竜 | 蛇信仰からきている。蛇は死と再生を繰り返す不死の象徴。竜の姿は蛇、トカゲに似ている。地をはう蛇が元になっていることから、竜は地上(土)に属する土の竜になる。蛇西洋のドラゴンは龍ではなく竜の方になり、ドラゴンはギリシア語で蛇を意味するドラコーンに由来する。恐竜の竜も龍とは書かないことからわかるようにこちらの竜に属する。 |
龍 | 龍は中国で生まれた。姿は日本昔話などでお馴染みの東洋のドラゴンになり、天空を自由自在に飛翔する。古代中国の王朝殷の時代(紀元前17世紀~紀元前1046年)の遺跡から出土した古代文字の甲骨文字(こうこつもじ)に竜の文字があることから、中国では蛇信仰の竜が最初にあり、後から龍の信仰が生まれたと考えられる。 |
五行の土は「人」である自分のことです。
竜と同じく地上(土)に属することから自分自身はこの竜にあたりますが、種貸社と楠珺社にお参りして五行の力を身につけることにより、自分自身の内なる龍に目覚めます。
そして、天空を飛翔する龍に進化し、木星に行くことによってこの世の悩みを超越した存在になる流れです。
詳しく見ていきましょう。
⑴浅澤社で龍神の主のお力添えを頂く
楠珺社をお参りした後に訪れる浅澤社の御祭神は水の神・海の神である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で、財運をもたらす七福神の弁財天でもあります。
弁財天は龍神の主です。(弁財天と龍神は主従関係になり弁財天が主になる)
五行の力を身につけてから浅澤社に参拝することで、地上の竜から天空を飛翔する龍に変わるお力添えを頂きます。
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弁財天の起源はヒンドゥー教の川の女神サラスヴァティー。インドで最も古い聖典リグ・ヴェーダで最上の女神とされる。学問・智彗・財宝・幸福などを司る。
住吉大社の浅澤社一帯は浅澤小野(あさざわおの)と呼ばれる浅澤沼になっていることから、祀られているのが弁財天であることがわかる。浅澤社の社殿は西向き。これから旅立つ木星に対応する方位の東を拝む形になる。
なお、楠珺社で最後に受け取ったのは金のエネルギーになり、浅澤社では水のエネルギーを受け取るので、楠珺社から続く流れで見ても五行の相生関係にきちんとなっています。
⑵大歳社で木星の惑星エネルギーを受け取る
自らが天空を飛翔する龍に変わったら、最後にお参りする大歳社でいよいよ富や成長の象徴である木星のエネルギーを受け取ります。大歳社で参拝し、稲穂を一粒万倍の御神米に交換したらゴールです。
大歳(たいさい/太歳)は古代中国の天文暦学で設けられた木星の鏡像となる影の惑星のことです。
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木星の公転周期は約12年(11.86年)。黄道十二星座や時計の文字盤、十二支、一年の12ヶ月は木星の周期をもとに作られている。
初辰まいりで集める招福猫も12年で大猫になる。木星の周期に合わせて仕込まれている。
大歳は架空の星になりますが、大歳社の大歳は龍となった私たちが木星へ行くことを表しています。
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住吉大社の境内は地球を表している。浅澤社と大歳社が住吉大社の境内から出た場所にあるのは、地球から飛び出して木星(大歳社)に向かうことを暗示している。
地球から飛び出して木星に行き、木星で直接「高次元の富のエネルギー」を受け取ったら、この世の悩みを超越した存在に変わるというのが初辰まいりの隠された仕掛けです。
ちなみに、大歳社は五行の木のエネルギーにあたります。
初辰まいりは最初の種貸社から最後の大歳社まで、すべての流れがお互いに助け合って促進させる相生関係で進む完璧な流れになっています。
初辰まいりで必ず手にしたい授与品
住吉大社の初辰まいりで必ず手にしたい授与品は4つあります。
①招福猫
招福猫(通称 小猫)は初辰まいり限定の授与品で商売発達・家内安全のご利益があります。(初穂料1体500円/楠珺社の授与所)
この招福猫は金運の象徴である「招き猫・狐(きつね)・白虎(びゃっこ)」の3つが合わさった優れものです。
招き猫 | 右手を挙げた猫はお金を招き、左手を挙げた猫は人を招く。 |
狐 | 穀物が豊かに実るように商売も豊かに実らせてくれる稲荷神の眷属(けんぞく)。 |
白虎 | 末代までお金に恵まれる金運をもたらす霊獣。五行の金にあたる西の方位を守護する。 |
楠珺社の神様のお使いは猫とされていて、授与品も招福猫となっていますが、楠珺社の御祭神は稲荷神である宇迦魂命 (うがのみたまのみこと)なので本来のお使いは狐です。(御神木の近くに神様の使いである狐の像もある)
そのため、招福猫ではなく招福狐であるべきですが、それをあえて猫とすることで招き猫と結びつけ、白の招き猫とすることでネコ科の虎(白虎)とも結びつけ、本来の狐の要素も残るように招福猫の顔が狐に見えるよう上手く作られています。
こちら↓の2体では特に右の招福猫が狐に見えます。
- 狐(きつね)を猫に→招き猫と結びつける
- 招き猫を白い猫に→白虎(びゃっこ)と結びつける
- 招き猫の顔を狐に→稲荷神のお使いの要素を残す
このように「招き猫・狐・白虎」の3つを上手く盛り込むために、初辰まいりの象徴を白い招き猫にしているのではないかと考えられます。
初辰まいりに行った時はぜひ、金運の象徴が三位一体になったこの招福猫を毎月1体頂いて集めてみてください。飾る場所は玄関や神棚がおすすめです。
ちなみに、奇数月(1・3・5・7・9・11月)の初辰まいりでは人を招く左手を挙げた招福猫が、偶数月(2・4・6・8・10・12月)初辰まいりではお金を招く右手を挙げた招福猫が頂けます。
人を招く左手を挙げた招福猫 | 1・3・5・7・9・11月 |
お金を招く右手を挙げた招福猫 | 2・4・6・8・10・12月 |
「人を招く左手を挙げた招福猫だから商売発達のご利益がない」「お金を招く右手を挙げた招福猫だから家内安全のご利益がない」というわけでないので、そこは気にしなくて大丈夫です。
楠珺社の神様は商売発達と家内安全の両方の御神徳をお持ちですし、種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社を参拝する初辰まいり自体に多大なご利益があるので何も心配はいりません。
なお、48体の小猫が収まる専用の箱が楠珺社の授与所にあります。
専用の箱は2タイプあり、1つはこちら↓のガラスの扉があって中が雛壇になっているタイプです。(初穂料1箱5,000円)
もう1つは雛壇タイプで初穂料8,000円です。
両方とも少し値段はしますが、初辰まいりを続ける場合は大猫2体揃うまでの24年間使えるので、小猫が集まってきたらこれらを利用するのもおすすめです。
②始終発達守
始終発達守(しじゅうはったつまもり)は運気上昇・商売発達・家内安全のご利益がある黄金色に輝くプレート型のお守りです。(初穂料1体1,000円/楠珺社の授与所)
初辰まいりは4年を一区切りとして合計48回(48ヶ月)で満願成就です。48体の招福猫が描かれている始終発達守には「四十八辰(しじゅうはったつ)=始終発達」の祈願が込められています。
お守りの大きさは縦5.5cm、横4.3cmとクレジットカードよりも小さいサイズなので、お財布に入れて持ち歩くのがおすすめです。
③初辰宝船
初辰宝船は商売発達・開運招福のご利益がある土鈴です。初辰にちなんで龍の宝船に招福猫が乗っています。(初穂料1体1,000円/楠珺社の授与所)
鈴を鳴らすことで自分や場所のお祓いができます。玄関に置いて家を出る時、そして帰ってきた時に鳴らすのがおすすめです。
④智恵の種
智恵の種は願い事を叶えるための智恵を授けてくれる種です。(初穂料300円/種貸社の授与所)
種貸社の御祭神である倉稲魂命(うがのみたまのみこと)とのご縁を頂けるように「えんじゅ(縁授)の木」で作られていて、握ると良い智恵が浮かんでくると言われています。
商売や良縁など願い事を考える時は智恵の種を握る、もしくは身につけながら考えるのがおすすめです。種の大きさは約3cmなので握りやすい大きさになっています。
種貸社の「智恵の種」
元種をお授け下さる神様として尊崇を集めてきた種貸社の「智恵の種」です。あなたの思いの元種となり、その種が稔(みの)ります様に祈願されております。
住吉 種貸社ころころと 握ってひらめく 智恵の種
ころころと 握って授かる 子宝の種
ころころと 握って巡り会う 良縁の種
ころころと 握って繁盛 商売の種「智恵の種」について
この「智恵の種」は、種貸様のご縁を授かりますよう特にエンジュ(縁授)の木で奉製されております。良い智恵をお借りしたい方は、一粒か二粒拝借し、証拠として任意の種貸料(三百円以上)をお納め下さい。
誤って粗末に扱ってしまった時や、良い智恵が浮かばない時は、お持ちの種をお返しし、新たに別の種を借りて下さい。
種貸様のご利益で良い智恵が授かった時には、神恩感謝のお礼参りをされるか、こちらに任意の種貸料を奉納し、お持ちの智恵の種をお返し下さい。
住吉 種貸社出典 住吉 種貸社 智恵の種案内
エンジュの木とは
エンジュは中国から渡来した木で英名は「Japanese Pagoda Tree」。pagodaは仏塔(ストゥーパ)を意味し、仏教と関わりの深い木になる。中国では神聖木とされ、出世・長寿・崇拝の木として縁起が良い。
日本では古事記にエンジュが登場する。福岡県の宇美八幡宮(うみはちまんぐう)にあるエンジュの木は、住吉大社の御祭神 神功皇后(じんぐうこうごう)が枝にしがみつき、第15代応神天皇を安産で産んだと伝わる。この伝承により日本では「平産の幸ある木・子安の木・幸福をもたらす木」と言われている。
なお、智恵の種専用のお守袋や案内がセットになっている物もあります。(初穂料500円)
智恵の種 | 初穂料300円 |
お守袋 | 初穂料500円 |
知恵の種+お守袋+案内 | 初穂料1,000円 |
初辰まいりのおすすめの順路と参拝方法
初辰まいりは種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社だけの参拝でも大丈夫ですが、次の順番でお参りするのがおすすめです。
「みのりまいり」もきちんとできるルートでご紹介しています。
住吉大社の境内マップを活用しながらお伝えしていきますが、こちら↓の住吉大社境内略図も参考にしてみてください。
出典 平成三十一年住吉暦
なお、初辰日以外のおすすめの参拝方法はこちらでお伝えしています。
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住吉大社のご利益は最強金運!海神の御神徳でお金の悩みを万事解決
お金の悩みを解決したいなら大阪にある住吉大社が最強です。 住吉大神(すみよしおおかみ)は神道で最も重要な祓いを司る神様で ...
①大海神社へ向かう
まずは龍王と龍女にご挨拶するために大海神社へ向かいます。
住吉大社駅から行く場合は駅を出て左を見るとすぐに大鳥居が見えます。
大鳥居を正面にして左に進み、右手に吉祥殿が見えたら吉祥殿左脇の道を進みます。NTT住吉ビルを右に曲がると大海神社の鳥居と狛犬が見えてきます。
大海神社へは大鳥居から徒歩5分程度で着きます。
大海神社は境内(種貸社の左)から行くこともできますが、大海神社の鳥居をくぐって大海神社の境内に入るために外から行きましょう。
②大海神社で参拝
大海神社の御祭神は龍王 豊玉彦命 (とよたまひこのみこと)と龍女 豊玉姫命(とよたまひめのみこと)です。
初辰まいりの辰、つまり干支の辰は龍のことです。龍の日のお参りなのでまずは龍王と龍女にご挨拶します。
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豊玉彦命は伊邪那岐命と伊邪那美命が神産みをした時に生まれた最初の海神。古事記では綿津見神(わたつみのかみ)や大綿津見神(おおわたつみのかみ)、日本書紀では少童命(わたつみのみこと)や海神(わたつみ)、海神豊玉彦(わたつみとよたまひこ)と記される。海幸彦山幸彦の神話では塩椎神にすすめられて綿津見神宮(わたつみのかみのみや)にやってきた山幸彦を助けた綿津見神宮の龍王。
豊玉姫命は豊玉彦命の娘。海幸彦山幸彦の神話では綿津見神宮にやってきた山幸彦と結婚する。
大海神社は住吉大社の摂社の中でも最も社格が高い神社です。「住吉の別宮」「住吉の宗社」と古代の祭祀で重要視されてきました。
住吉大社の北の方位に位置することから北の龍(辰)で北辰(北極星)、北辰は万物を支配する神「天帝」とみなされることから、住吉大社の北にある大海神社の御祭神は格式の高い神様であると読み取ることもできます。
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北辰は北極星のこと。道教由来の古代中国の思想では北辰は万物を支配する神の天帝(天皇大帝)と見なされた。
天帝が北を背にして南を向くことを天子南面すという。世界の中心である天帝は北極星に位置することから天帝の方位は北になる。
大海神社の本殿は住吉大社の第一本宮〜第四本宮と同じ住吉造りで、重要文化財に指定されています。
大海神社の境内右手には玉の井と呼ばれる井戸(手水舎)があるので、参拝前にこちらで身を清めましょう。
玉の井とは海幸彦山幸彦の神話に登場する潮満珠(しおみつたま)が沈められていると伝わる井戸です。
もう片方の潮干珠(しおひるたま)は堺市にある宿院頓宮の飯匙堀という堀に沈められていると伝わります。
海幸彦山幸彦の神話
天孫降臨で天降った邇邇芸命(ににぎのみこと)の子には「兄の火照命(ほでりのみこと)」と「弟の火遠理命(ほおりのみこと)」がいた。
兄は海の漁が得意だったので海幸彦(うみさちひこ/海佐知毘古/漁師)として魚をとり、弟は山の猟が得意だったので山幸彦(やまさちひこ/山佐知毘古/猟師)として獣を狩っていた。
ある日、弟の山幸彦が兄の海幸彦にお互いの道具を交換しようと提案するが海幸彦は断った。山幸彦が説得してお互いの道具を交換してみたが、山幸彦は魚が一匹も釣れなかった上に海幸彦の釣針を海に落としてなくしてしまう。
兄の海幸彦も獲物をとることができず、自分の釣針を返してもらおうとすると、山幸彦から釣針を無くしたことを告げられ、山幸彦を責め立てた。山幸彦は自分の十拳劔(とつかのつるぎ)から1,000の釣針を作って謝ったが、海幸彦は「元の釣針が欲しい」と受け取らなかった。
海幸彦に怒られた山幸彦が海辺で泣き悲しんでいると塩椎神(しおつちのかみ)が現れた。事情を話すと塩椎神は小舟を造り、綿津見神宮(わたつみのかみのみや)に行くことをすすめた。
「ここから船に乗って潮に流されるまま進みなさい。私が貴方を導きます。やがて宮殿が見えるので、その入り口の泉のそばにある1本の木に登り待ちなさい。」
この言葉に従い、山幸彦が海神の宮殿前の木に登って待っていると豊玉姫(とよたまひめ/豊玉毘売)と出会う。豊玉姫は山幸彦を一目見るなり恋に落ち、豊玉姫の父である海神(大綿津見神)にも歓迎され、山幸彦と豊玉姫は結婚した。
楽しく暮らしているうちに3年が経ち、山幸彦は帰ることにする。探していた釣針は赤鯛が飲み込んでいたことがわかり、綿津見神は釣針と呪文、潮満珠(しおみつたま)、潮干珠(しおひるたま)を山幸彦に渡し、山幸彦は地上に戻った。その後、兄の海幸彦を授かった呪文や玉でこらしめて忠誠を誓わせた。
玉の井で身を清めたら次のように参拝するのがおすすめです。
- 二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
- 祓詞(はらえことば)を2回唱える
- 龍神祝詞(りゅうじんのりと)を1回唱える
- 二拝二拍手一拝
1つずつ詳しく見ていきましょう。
なお、祝詞の奏上は時間がかかるので、他の方のご迷惑にならないよう端によって唱えるようにしてください。「目の前で唱えないと意味がない」などはありませんので、端によって唱える形で大丈夫です。
⑴二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
まずはお賽銭を入れて二拝してから「私は1980年1月1日生まれの山田太郎です。東京都江戸川区〇〇1-1-1に住んでいます。」と自己紹介します。
声に出しても良いですし、心の中で言っても大丈夫です。お賽銭は100円玉がおすすめです。
⑵祓詞(はらえことば)を2回唱える
神様の前にいるにふさわしい清らかな状態になるために祓詞を2回唱えます。
声に出しても良いですし、心の中で唱えても大丈夫ですが、抑揚をつけずゆっくりと読むのがポイントです。
⑶龍神祝詞(りゅうじんのりと)を1回唱える
大海神社の御祭神は格式の高い龍王と龍女なので龍神祝詞を1回唱えます。
龍神祝詞は龍神とご縁を結び、願い事を成就させたい方におすすめの祝詞です。
こちらも声に出さず、心の中で唱える形で大丈夫です。ポイントは祓詞と同様、抑揚をつけずゆっくりと読むことです。
⑷二拝二拍手一拝
二拝二拍手の後、神恩感謝と3回声に出して唱えるか、心の中で唱えます。神恩感謝は神様の生成発展を願うお祈りです。その後、一拝します。
大海神社で参拝したら右横にある志賀神社でも参拝します。
志賀神社には住吉三神と共に現れた綿津見三神(わたつみさんしん)が祀られています。
綿津見三神(わたつみさんしん)とは
底津少童命(そこつわたつみのみこと)・中津少童命(なかつわたつみのみこと)・表津少童命(うわつわたつみのみこと)のこと。住吉大神と同神ともいわれる。
志賀神社では二拝二拍手一拝の作法で参拝してください。
③大鳥居をくぐる
住吉大社の西側にある大鳥居の方へ戻り、大鳥居をくぐって境内に入ります。
④太鼓橋を渡る
大鳥居を真っ直ぐ進んだ先にある太鼓橋(反橋)を渡ります。
真冬の寒い時期は凍結の危険があるので閉鎖されますが、それ以外は基本的に渡ることができます。
太鼓橋がかかっている神池には亀が住んでいます。暖かい時期は割と姿を見ることができるので神池もぜひのぞいてみてください。
蛇の姿を見かけることもあります。
⑤手水舎で身を浄める
太鼓橋を渡って左手にある手水舎で身を清めます。
住吉大社の神様の使いであるうさぎの口からお水が出ています。
ちなみに、うさぎは干支の「卯」で方位は東です。
住吉大社の第一本宮〜第四本宮は境内の東寄りにあること。そして本殿はすべて西向きなので私たちは東の方位を拝むことが、うさぎ(卯)によって暗示されています。
⑥船玉神社で参拝
手水舎の正面には鳥居があって本殿が見えますが、本殿には向かわずに手水舎から右側に進んだ先にある摂社の船玉神社(ふなたまじんじゃ)で参拝します。
住吉三神は海の神様です。
まずは船玉神社で参拝し、天鳥船命のお力で天鳥船という船に乗り、猿田彦神のお力で迷うことなく最善の道へ進めるよう道案内をお願いすることが重要です。
船玉とは航海・空路の安全や豊漁を司る船霊様(ふなだまさま)のことです。
船霊様は船舶の守護神(船舶そのものの神霊)になり、船乗りの漁業者をはじめ航空関係者などから崇敬されていますが、住吉大神と表裏一体の関係にもなるので住吉大神の荒魂(あらみたま)とされることもあります。
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古来から船の帆柱を立てる底部にある筒穴に船霊様を納めていて、筒男命の御神名の筒は船霊様との関係からきているという説があり、船霊様と住吉大神は表裏一体の関係をもつといわれている。
荒御魂(あらみたま)とは御生(みあれ)されたばかりの御神霊のこと。魂が若々しく荒々しい力を司る。
船玉神社の御祭神は天鳥船命(あまのとりふねのみこと)と猿田彦神(さるたひこのかみ)です。
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天鳥船命は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)が神産みをした時に生まれた神。出雲の国譲りでは高天原の使者として建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)と共に出雲国の稲佐の浜へ降り立った。
猿田彦神は天孫降臨の際、天の八衢(あまのやちまた)にいて、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を高千穂へと先導した神。最善の道に導いてくれることから、道開大神(みちひらきおおかみ)とも言う。
船玉神社では次のように参拝するのがおすすめです。
- 二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
- 祓詞(はらえことば)を2回唱える
- 船玉祓(ふなたまのはらい)を1回唱える
- 二拝二拍手一拝
大海神社で参拝する時と唱える祝詞が異なるだけですが、1つずつ詳しく見ていきましょう。
なお、住吉大社は多くの参拝客がいらっしゃいます。祝詞の奏上は時間がかかるので、他の方のご迷惑にならないよう端によって唱えるようにしてください。「目の前で唱えないと意味がない」などはありませんので、端によって唱える形で大丈夫です。
⑴二拝して自分の生年月日と名前、住所を言う
まずはお賽銭を入れて二拝してから「私は1980年1月1日生まれの山田太郎です。東京都江戸川区〇〇1-1-1に住んでいます。」と自己紹介します。
声に出しても良いですし、心の中で言っても大丈夫です。お賽銭は100円玉がおすすめです。
⑵祓詞(はらえことば)を2回唱える
神様の前にいるにふさわしい清らかな状態になるために祓詞を2回唱えます。
声に出しても良いですし、心の中で唱えても大丈夫ですが、抑揚をつけずゆっくりと読むのがポイントです。
⑶船玉祓(ふなたまのはらい)を1回唱える
船玉祓を1回唱えます。船玉祓はその名の通り船玉社で唱える祝詞です。
天鳥船命と猿田彦神にますますのお力添えを頂くために唱えましょう。
こちらも声に出さず、心の中で唱える形で大丈夫です。ポイントは祓詞と同様、抑揚をつけずゆっくりと読むことです。
⑷二拝二拍手一拝
二拝二拍手の後、神恩感謝と3回声に出して唱えるか、心の中で唱えます。神恩感謝は神様の生成発展を願うお祈りです。その後、一拝します。これで船玉神社の参拝は完了です。
⑦市戎大国社で参拝
船玉神社の右手にある末社の市戎大国社(いちえびすだいこくしゃ)で参拝します。市戎大国社は2社並んでいて、右側が大国社で左側が市戎社です。
大国社の御祭神は出雲大社の御祭神である大国主命(おおくにぬしのみこと)です。
縁結びの神として知られていますが、大国主命の縁結びは男女の縁だけでなく、金運や仕事運、健康運、出世運などあらゆる縁を結んでくれます。
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目には見えない世界のむすびの御霊力を司り、神事(かみごと)の世界や幽世(かくりよ)の世界を治める神。素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御子神。
幽世とは永久に変わらない神域。目には見えない死後の世界でもあり、黄泉もそこにあるとされる世界。
大国主命は打ち出の小槌を持ち、大きな袋を担ぎ、米俵に乗った姿が特徴的な七福神のだいこく様でもあります。五穀豊穣や商売繁盛など福の神としても御神徳もお持ちです。
市戎社の御祭神は海神である事代主命(ことしろぬしのみこと)です。豊漁の御神徳があります。
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大国社に祀られている大国主命(おおくにぬしのみこと)の御子神。出雲の国譲りで高天原の使者として建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)と天鳥船命(あまのとりふねのみこと)が出雲国の稲佐の浜へ降り立った際、大国主命が国譲りについて意見を求めたのが事代主命。
事代主命は右手に釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱える姿で知られる七福神のえびす様でもあります。商売繁盛や五穀豊穣の御神徳もお持ちです。
えびす様は好物である海老で鯛を釣り上げることが得意で、わずかな労力で大きな利益を得る「海老で鯛を釣る」のことわざの基にもなっています。
そしてその通りのご利益、簡単にいうと他力本願的なご利益を頂くことができます。
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住吉大社のえびす神は歴史が古く、鎌倉時代にはすでに江比須社として存在していた。今では住吉の「えべっさん」として厚く信仰されている。
⑧幸寿門をくぐる
手水舎の方へ戻り、太鼓橋の正面にある幸寿門(こうじゅもん)をくぐって境内に入ります。幸寿門は寿命(健康)のご利益がある門です。
⑨本宮で参拝
出典 住吉大社
幸寿門をくぐると第一本宮から第四本宮まで4つの社殿が並んでいるので、「第四本宮→第三本宮→第二本宮→第一本宮」の順で参拝していきます。
第四本宮は幸寿門をくぐった右手に、第三本宮は第四本宮の左手、第二本宮は第三本宮の奥、第一本宮は第二本宮の奥にあります。
それぞれの御祭神はこちらです。
- 第一本宮…底筒男命(そこつつのおのみこと)
- 第二本宮…中筒男命(なかつつのおのみこと)
- 第三本宮…表筒男命(うわつつのおのみこと)
- 第四本宮…息長足姫命(おきながたらしひめのみこと/神功皇后)
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底筒男命・中筒男命・表筒男命の三柱を総称して住吉三神・住吉大神と言い、息長足姫命(神功皇后)を含めた四柱を総称して住吉四社大明神(すみよしよんしゃだいみょうじん)と言う。
住吉三神(すみよしさんしん)は神道で大事な「祓(はらえ)」を司る海の神様で浄化の御霊威があります。
奈良時代以前より航海安全の神、外交や貿易、あらゆる産業を守護する神として、朝廷をはじめとして多くの民衆から称えられてきました。
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伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉の国から戻り、筑紫(ちくし/つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小門(おど)の阿波岐原(あはぎはら)で禊をした時に三層構造の異なる海流から生まれた。
水底(地下水/海底)では底津少童命(そこつわたつみのみこと)の次に底筒男命(そこつつのおのみこと)。中底(海水)では中津少童命(なかつわたつみのみこと)の次に中筒男命(なかつつのおのみこと)。水面(潮の上の水/水面上/大気圏)では表津少童命(うわつわたつみのみこと)の次に表筒男命(うわつつのおのみこと)が現れた。少童命の三柱は少童三神(綿津見三神/わたつみさんしん)と呼ばれる。
日本書紀では底筒男命のことを底土命(そこつちのみこと)、中筒男命は赤土命(あかつちのみこと)、表筒男命は磐土命(いわつちのみこと)とも記されている。九州地方ではこの神名で祀られることが多い。
記紀から分かるように住吉三神は水の惑星と呼ばれる地球の3つの世界(海底・海水・大気圏)を象徴していることが考えられる。
息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)は朝鮮半島に遠征し、見事勝利へと導いた武神であり、第15代応神天皇(おうじんてんのう)となる品陀和気命(ほむだわけのみこと)を生んだ聖母神でもあります。
開運招福や安産、子育て守護の御神徳をお持ちです。
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息長足姫命は第14代仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の妃である神功皇后(じんぐうこうごう)。神仏習合の時代は聖母大菩薩(せいぼだいぼさつ)とも呼ばれていた。
仲哀天皇の熊襲討伐の際、住吉三神から神託を受けたのが息長足姫命(神功皇后)です。
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仲哀天皇は九州の熊襲(くまそ)を討伐するため、神功皇后に神がかりをさせて神託を得ることにした。仲哀天皇は琴を弾き、建内宿禰(たけのうちのすくね)は御神託を授かるために待機していると神功皇后が神がかり、
「西の方に国がある。金銀をはじめとして、目もくらむような種々の珍しい宝物がたくさんある。その国をそなたのものにしてあげよう。」
と神の言葉を発した。それを聞いた仲哀天皇は「高い所に登って西を見たけど国土は見えず、ただ大海原があるだけだ。」と言い、嘘を付く神だと思って琴を弾くのをやめてしまった。
神はひどく怒って「熊襲の天下は汝が統治すべき国ではない。汝はどこか一道に向かえ。」と言ったので、建内宿禰は仲哀天皇に琴を弾き続けるように勧めた。仲哀天皇は渋々琴を弾き始めたが、しばらくすると琴の音が聞こえなくなった。灯りをつけると天皇は亡くなっていた。
仲哀天皇の亡き後は息長足姫命(神功皇后)が軍を主導して新羅を平定しました。これが武神と崇められる理由です。
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仲哀天皇が亡くなった後、再度神がかりをして住吉三神の御魂を船に坐せれば加護を得られること、新羅を治めるのは神功皇后の御子であるという神託を授かった。神功皇后は神託を受けた神に名を問うと「これは天照大神(あまてらすおおかみ)の御意思である。また住吉三神である。」と答えた。
神託に従った神功皇后は住吉三神の加護を得て、建内宿禰と共に軍を率いて九州北西部に広がる海域の玄界灘(げんかいなだ)を渡った。大小の魚たちが集まって船を運び、さらには突然強い神風が吹いてその勢いで新羅へと進軍した。
大波を立てて上陸する様子を見た新羅は戦わずして降伏し、高句麗(こうくり)と百済(くだら/ひゃくさい)の国も無事に平定。これが新羅遠征。三韓遠征(さんかんえんせい)とも言われる。三韓を治めた神功皇后は新羅の国王の門に杖を突き立て、三韓の国の守護神として住吉三神の御魂を祀った。
なお、高句麗は朝鮮半島の大部分を支配していた国で、百済は新羅の隣、朝鮮半島南西部にあった国のこと。
➉種貸社で参拝
第一本宮の左側にある門を通って左の道を進むと種貸社があります。ここから初辰まいりスタートです。
御祭神は稲荷神の倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、御神徳は資金調達・子宝・智恵です。
ご祈祷を受ける場合と受けない場合で分けてお伝えしていきますが、より一層のお力添えを頂くために毎回ご祈祷を受けるのがおすすめです。
ご祈祷を受ける場合
種貸社境内左手前にある手水舎で身を清め、初辰まいりが初めての場合は境内左手の受付前にある申込用紙に記入してご祈祷の申込をします。
ご祈祷は集団祈祷で所要時間は約10〜15分程度です。
初辰日ご祈祷の受付時間 | 午前6時~午後3時30分 |
ご祈祷の初穂料 | 1,100円 |
2回目以降の流れ
初辰まいり3回目までは申込用紙に記入してご祈祷の申込をする。4回目以降は自分専用のカードができているので、種貸社受付の神官さんに名前を伝えてそのカードを受け取り、社殿内の神官さんに渡してご祈祷料を納め、ご祈祷を受ける。
ご祈祷を受けない場合は種貸社で参拝し、稲種引換券で籾種を頂いて楠珺社に向かう。
ご祈祷に申し込むと籾種とお種銭(おたねせん/100円硬貨)、神饌のワカメ、稲種引換券が頂けます。(初めての時は神官さんが丁寧に説明してくれます)
お種銭は商売の元種(資金)として使います。(商売に関係する支払いに使う)
【お種銭】
この御種銭をお借りして商売の資本に加えますと、大神様のお陰によって一粒のお米が万倍になるように益々商売が繁盛いたします。常に報恩感謝の念をもって商売に励んでください。種貸社
智恵の種を持っていない方は種貸社で頂くのを忘れないようにしましょう。(初穂料300円)
ご祈祷を受けない場合
種貸社境内左手前にある手水舎で身を清めてから参拝します。種貸社の御祭神は稲荷神なのでお賽銭は10円玉がおすすめです。
参拝後、境内左手の受付で初穂料800円を納めて籾種を頂いたら楠珺社へ向かいます。
補足|種貸社境内右手のテントについて
種貸社境内右手のテントには榊(さかき/初穂料1本200円)と一粒万倍のろうそく(初穂料1本100円)があります。
榊は古来から清浄さを表す樹木とされ、お祓いや神事に用いられています。空間の浄化ができるので、2本頂いて自宅もしくは会社にある神棚にお供えするのがおすすめです。
また、榊の「芽のついた葉っぱ」を1枚お財布に入れると、種貸社の御祭神 倉稲魂命の資金調達のご利益をより一層頂けます。
次のように芽のついた榊の葉を専用の袋に入れてお財布に入れます。
専用の御守り袋は榊のすぐ近くにあります。
一粒万倍のろうそくは社殿右手に献灯する場所があるので、資金調達の願いを込めて献灯するのがおすすめです。
⑪楠珺社で参拝
初辰まいりで2番目にお参りする楠珺社は種貸社を出て左に進み、そのまま道なりに進むとあります。
御祭神は稲荷神の宇迦魂命 (うがのみたまのみこと)、御神徳は商売発達・家内安全です。
ご祈祷を受ける場合と受けない場合で分けてお伝えしていきますが、楠珺社は初辰まいりの中心となる神社です。特に毎回ご祈祷を受けるのがおすすめです。
ご祈祷を受ける場合
楠珺社左手前にある手水舎で身を清め、初めての場合は楠珺社前の受付で申込用紙に記入してご祈祷の申込をします。
楠珺社の初回ご祈祷の初穂料は3,000円(お札の初穂料含む)で、2回目以降から1,500円になります。
ご祈祷は集団祈祷で所要時間は約10〜15分程度です。ご祈祷に申し込むと神饌のワカメと稲種引換券が頂けます。
初辰日ご祈祷の受付時間 | 午前6時~午後3時45分 |
ご祈祷の初穂料 | 1,500円(初回のみ3,000円) |
2回目以降の流れ
基本的なシステムは種貸社と一緒になる。自分専用のカードができたら、楠珺社受付の神官さんに名前を伝えてそのカードを受け取り、社殿内の神官さんに渡してご祈祷料を納め、ご祈祷を受ける。
ご祈祷を受けない場合は楠珺社で参拝し、楠珺社前の受付右手にある「初辰日みのりまいり交換所」で籾種を稲穂と交換して浅澤社に向かう。
楠珺社前の受付右手には「初辰日みのりまいり交換所」があるので、ご祈祷の申込をするタイミングで籾種を稲穂と交換しておきます。
もっと詳しく
交換所には誰もいないので自分自身で籾種と稲穂を交換する。置いてある箱に籾種を入れて一束の稲穂と交換すればOK。交換するタイミングはご祈祷前でも後でもできる。
ご祈祷が終わったら楠珺社左手にある授与所で招福猫(初穂料500円)を1体頂きます。
ちなみに、楠珺社で4年間毎月欠かさずにご祈祷を受けると5月の初辰日(初辰大祭)に満願札が頂けます。
初辰大祭とは
5月の初辰日に行われる年に一度の大祭。一年で最もご利益が頂ける日とされる。
ご祈祷を受けない場合
楠珺社左手前にある手水舎で身を清めてから参拝します。楠珺社の御祭神は稲荷神なのでお賽銭は10円玉がおすすめです。
参拝後、「初辰日みのりまいり交換所」で籾種を稲穂と交換して浅澤社に向かいます。招福猫を集める方は授与所で1体頂くのを忘れないようにしましょう。
⑫御神木の楠を拝む
楠珺社を正面にして左横の道(楠珺社と授与所の間の道)を進むとすぐ右手(御神木の横)にお賽銭箱があります。
御神木の楠を左横から拝むことができるので、その場所から手を合わせて拝みましょう。そうすると正面が西の状態で拝むことができます。お賽銭を納める場合は10円玉がおすすめです。
なお、御神木の楠は四方にお賽銭箱があり、それぞれの位置から拝むことができるようになっています。
左横(東側)から拝んだ後、裏手(南側)、そして右横(西側)からも拝むとさらに良いです。(正面は楠珺社で参拝した時に拝んでいる形になるのでOK)
⑬五所御前で参拝
五所御前(ごしょごぜん)は楠珺社の御神木から少し西に進んだ先にあります。
五所御前は住吉大神が降臨した神聖な場所です。五所御前にある鳥居をくぐって参拝しましょう。
五所御前(ごしょごぜん)とは
約1,800年前、住吉大神が鎮座した際に最初に祀られた神聖な場所で、別名を高天原(たかまがはら)ともいう。神功皇后が住吉大神を祀るための地を探している時、五所御前の石垣の中に立つ一本の杉(御神木)に3羽の白鷺(しろさぎ)が止まったのを見て鎮座地に決めたと伝わる。
⑭海龍社で参拝
海龍社は龍神信仰をもつ祠で龍神が祀られています。
五所御前のすぐ隣(南側)にあるのが海龍社です。「海龍社」と書かれた神額がかかっている南側から参拝します。
「これから住吉大社の境内を出て浅澤社に向かいます。」とご挨拶しましょう。
⑮浅澤社で参拝
海龍社から石舞台の方へ行き、住吉武道館の入り口付近にある鳥居をくぐって敷地の外に出ます。10秒ほど歩くと初辰まいりで3番目にお参りする末社の浅澤社があります。
御祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、御神徳は美容・芸能上達・機転・愛想・女性守護です。
浅澤社でご祈祷はないので二拝二拍手一拝の作法で参拝します。お賽銭は100円玉がおすすめです。
もっと詳しく
浅澤社のご祈祷は大歳社のご祈祷と合わせ、大歳社で行われる。
⑯大歳社で参拝
浅澤社のすぐ右手にあるのが初辰まいりの最後となる大歳社です。
御祭神は大歳神(おおとしのかみ)、御神徳は集金満足・諸願成就です。
ご祈祷を受ける場合と受けない場合で分けてお伝えしていきますが、より一層のお力添えを頂くために毎回ご祈祷を受けるのがおすすめです。
ご祈祷を受ける場合
初めての場合は大歳社前の受付で申込用紙に記入してご祈祷の申込をします。
ご祈祷は集団祈祷で所要時間は約10〜15分程度です。ご祈祷に申し込むと大歳守と稲種引換券が頂けます。
初辰日ご祈祷の受付時間 | 午前6時~午後4時 |
ご祈祷の初穂料 | 1,000円 |
2回目以降の流れ
基本的なシステムは種貸社や楠珺社と一緒になる。自分専用のカードができたら、大歳社受付の神官さんに名前を伝え、ご祈祷料を納めてカードを受け取る。カード受け取り後、社殿内左手にあるカード入れにカードを入れてご祈祷を受ける。
ご祈祷を受けない場合は大歳社前の受付で稲穂と御神米を交換し、大歳社で参拝する。
大歳社前の受付で稲穂と御神米を交換できるので、ご祈祷の申込をするタイミングで交換しておきます。
ご祈祷が終わったら大歳社右手にある「おいとしぼし社」で参拝します。龍神を祀っているとされるお社です。
もっと詳しく
おいとしぼし社の起源は不明。地元の古老の伝承によると、天から落下した隕石を願い事の守護神として銀杏の巨樹の元に神秘の祠として祀ったのが起源だと伝わる。おいとしぼし社の神様は「お愛しい星」または「老年星(おいとしほし)」とも言われ、龍神や金龍として古くより親しまれている。
ご祈祷を受けない場合
大歳社前の受付で稲穂と御神米を交換し、大歳社で参拝します。お賽銭は100円玉がおすすめです。
参拝後、おいとしぼし社で参拝します。
⑰御田の横を通る
大歳社から住吉武道館の方へ戻り、左(住吉大社の駐車場の方向)へ進むと左手に御田(おんた/おんだ)が見えてきます。
大歳社で頂いた御神米はこの御田(おんだ)で収穫されたお米になります。一粒万倍の御神米を頂いたことに感謝しましょう。
御田(おんだ/おんた)とは
神社などが所有する田んぼ。田植え、稲作、収穫の際に五穀豊穣などの祭事を行う。実った穀物は神様へのお供物とする目的がある。
御田は約1,800年の歴史がある神田です。神功皇后が住吉の地に住吉大神をお祀りした時に新田を設け、長門国(ながとのくに)から植女を呼んで御田を作らせたと伝わります。
長門国(ながとのくに)とは
現山口県下関一帯の旧国名。
⑱幸福門をくぐる
船玉神社付近にある幸福門(こうふくもん)を通って境内に入ります。幸福門は幸せのご利益がある門です。
初辰日限定の「種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社」の御朱印を頂きたい方は、このタイミングで御守授与所に立ち寄りましょう。和紙に書いた御朱印を初穂料各500円で頂けます。(受付時間午前9時~午後4時)
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楠珺社の御朱印は初辰日以外も楠珺社で頂くことが可能。
⑲幸禄門をくぐる
御守授与所の左手にある幸禄門(こうろくもん)をくぐって境内から出ます。幸禄門はお金のご利益がある門です。
⑳太鼓橋を渡って大鳥居から出る
幸禄門から太鼓橋(反橋)の方へ進み、太鼓橋を渡って大鳥居から出ます。これで参拝は完了です。
初辰の日に行けないとき
用事や仕事があって初辰日に行けない時は「二の辰」か「三の辰」の日に参拝すると、楠珺社で「種貸社・楠珺社・大歳社」のご祈祷を受けられます。
初辰日のように「みのりまいり」はないですが楠珺社で御神米を頂けますし、招福猫(初穂料500円)も頂くことができます。
二・三の辰の日の受付時間 | 午前8時30分頃~午後4時 |
初辰まいりの歴史
初辰まいりは明治中期に広がった月参りです。
大阪の花街・新町にあった本荘席というお店の本荘五郎兵衛が初辰まいりの火付け役ですが、住吉大社の起源が「卯の年・卯の月・卯の日」であることから当初は毎月最初の卯の日のお参りでした。
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本荘五郎兵衛は若い頃から住吉さんを崇敬し、毎月卯の日のお参りを欠かすことがなかった。いつから始まった風習かはわからないが、特に遊里では吉端招福を祈り、招き猫を店頭や神棚に祀っていたので、五郎兵衛も招き猫を買って集めていた。
五郎兵衛のお店は繁盛し、やがて家族や芸妓も買って来るようになり、棚の上には2,000を超える大小の猫が押し合うようになる。それが評判となって本庄猫と呼び伝えられた。そのうちこの風習が花街の周囲から広まり、卯の日の翌日の初辰日に楠珺社にお参りし、商売や芸事の発達を祈願するようになり、招き猫を受けて帰るようになった。
花街(はなまち)とは、芸者屋・遊女屋が集まる地域を指す名称。江戸時代から大阪では新町・堀江・北新地・南地(現ミナミ)の4地域が花街とされた。
猫が羽織り、あるいは裃(かみしも)をつけているのは、芸妓が早く一本立ちになって羽織を着るようになりたい願いを託したものになる。裃とは江戸時代の男子の礼服のこと。参考 學生社 住吉大社
しかし、卯の日は住吉大社の起源で大事な祭事があるので、招き猫の人気で増えた参拝者を分散させるため、お参りを初辰日に変更しました。土産店が減少した昭和初期からは住吉大社が招福猫を授け始め、現在に至ります。
ちなみに本荘五郎兵衛には後日談があり、跡継ぎが招き猫を食べてしまってお店は潰れてしまったそうです。
住吉大社のアクセスマップ
■住吉大社
【住所】大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89
【アクセス】・南海電鉄南海本線 住吉大社駅徒歩3分/南海本線 住吉大社駅徒歩5分
・阪堺電気軌道(路面電車)阪堺線 住吉鳥居前駅徒歩すぐ
【駐車場】駐車台数約200台 1時間毎200円
*正月や住吉祭の期間は公共交通機関がおすすめ(周辺で交通規制がかかり駐車場は閉鎖)
まとめ
住吉大社の初辰まいりには関西圏のみならず全国から経営者が訪れます。商売を益々繁盛させたい方はぜひ初辰まいりに訪れてみてください。